在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

食べものとの最期:飲食にまつわる命の選択 #最期

日本の俳句における中興の祖である、正岡子規は食べることに貪欲だったそうです。「柿食えば 鐘がなるなり 法隆寺」という句も食べものに関する句ですし。西行芭蕉が自然と心象風景を融合させようとしましたが、食べ物が句に出てくることは無いですし。

亡くなるとき、食べれなくなる時どうしたいか

亡くなる前に食べれなくなります。こうした質問は自分の最期を具体的にイメージする一つの質問として有用と考えます。そして、これは疾患や患者個々で変わらない普遍的質問と考えます。

 

最後まで食べたいか

人生の最終段階では水分や栄養を身体が処理できなくなります。代謝自体が落ちいくことが理由です。人工的な栄養も同様で最小限の水分のみにする方が患者さんは楽になります。浮腫や唾液喀痰吸引が減ることが、その理由です。人工栄養をなくすと、また口から食べれることも、よくあることです。

・亡くなるまで、楽な方がよいか。多少しんどくてもできる限り命をつなぎたいか

苦痛を除き、だんだんと火が消えるように最期を迎える。これは在宅医療で可能です。一方、命を少しでもという場合は病院での治療が優先されるべきです。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)f:id:neurosamasama:20220417060714j:plain

 

心不全を科学する34

高齢者の心不全(HFpEF)に対する治療法は、運動、体重管理、血圧管理、sglt2による管理が重要です。

You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より

https://www.youtube.com/channel/UCMkHB9UwsqYXdxEAij9yD4Q

#体循環#肺循環#心不全##心不全HFpEF#BNP

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在宅医療の重要性:高齢者の食事と命を考える #内服が難しくなってきたら

高度成長期にスーパーという概念を日本に普及させたダイエー創立者である中内功さんは、強烈な戦時体験をしています。南の島で補給が絶たれた戦況で銃弾でなく、飢餓や病に仲間が倒れていく中で、命を繋ぎとめた思いとして「日本に帰りすき焼きを食べたい」という思いだったそうです。そして、在宅医療おいても食べるという欲求と行為はとても重要と考えます。人はだんだんと食べれなくなります。食べれなくなったら、どうするかは意思決定できる際に確認しておくべきと考えます。具体的には、まだ食べられている患者さんは

・亡くなるとき、食べれなくなる時どうしたいか

・最後まで食べたいか

・亡くなるまで、楽な方がよいか。多少しんどくてもできる限り命をつなぎたいか

すでに人口栄養を行っている患者に対しては

・今の状態は維持していたいという、良いと思える状態か

・水分や栄養は身体で処理できているか

次回、これらに対し少し深堀していいます

#人生の最期を決める時の重要なこと
#内服が難しくなってきたら
#高齢者医療と食べることについて
#逗子、葉山、横須賀、鎌倉在宅医療
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心不全を科学する33

高齢者の心不全(HFpEF)に対する治療法は、運動、体重管理、血圧管理、sglt2による管理が重要です。

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#体循環#肺循環#心不全##心不全HFpEF#BNP

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貼り薬の新革命: フェントステープの使い方とポイント #内服困難

患者さんの活気がなくなり、経口も難しくなってきた場合痛みをとる治療の一つとして麻薬の貼り薬があります。フェントステープはフェンタニル(麻薬)の貼付薬であり、在宅医療の現場では非常に重宝します。特に癌患者さんで、内服できなくなったが痛みが出ている方、そろそろ内服できなくなりそうな方に導入することが多いです。注意点としては貼付薬なので、湿布薬のように捉えられてしまい、他の人に渡してしまう、一度に何枚も貼ってしまうことなどが起こることもあります。また、実際にフェントステープ1mgを開封して貼ってもらうと分かるのですが、かなり小さく、高齢者が開封してしっかり貼ることは難しいと思われます。そのため導入直後は連日の訪問診療や訪問看護で正しく貼られているかを確認するとより安全です。日付と時間をテープに記載してもらう。使用済みのテープは粘着面を張り合わせてとっておいてもらうことも必要です。また、お風呂や電気毛布などで貼付部を温めるとより強く効果がでてしまうなどの注意点もあります。フェントステープ1mgは経口モルヒネの30mgに相当しますので、初回投与量としては多すぎることがあります。フェントステープの欠点としては、一度貼ってしまったら、減量の調整ができないことです。さらに切ることも禁止されています。そのためより慎重に投与するために半面貼付という方法があります。これは先にフィルムを貼っておいて、その上に半分だけかかるように貼る方法です。

#在宅患者さんにおける痛みの治療
#内服が難しくなってきたら
#フェントステープ
#逗子、葉山、横須賀、鎌倉在宅医療
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心不全を科学する32

HFpEFにおいてはBNPは過少評価されがちです。

HFpEFにおいてBNP低値でも予後不良の原因は下図のように示されています。

在宅診療で心不全を簡便に評価する方法は?心エコー?心電図?

いずれにしても理学所見としての経静脈怒張の評価が有用と私は考えます。

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#体循環#肺循環#心不全##心不全HFpEF#BNP

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見た目と寿命の関係:老化の兆候と健康リスク

人は見た目が〇〇割という、本が以前売れていたように記憶しています。調べれば、すぐ分かるのですが敢えて調べません。見た目で騙されないように、常々思っていたりもするので。そして見た目が老けていると実際の寿命も短いようです。これは、経験則からも納得できる話です。実際、見た目が老けている場合、筋力の低下、認知機能の低下、白血球のテロメア長が短く寿命が短いと報告されています。BMJ 2009;339 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.b5262

さらに他報告では①前頭部禿頭②頭頂部禿頭③耳介の皺④眼瞼黄色腫は虚血性心疾患、心筋梗塞の独立因子とされています。ただ、見た目を若くしても寿命は延びないと思いますが、、、

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