在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧

在宅医療において患者さんが不穏・せん妄になったら

せん妄に関して薬物治療は、簡単ですが安易かつ患者さんの為にならない治療です。 脳外科医として働いていた頃に、クモ膜下出血で救命した患者さんがいました。 60歳代の患者さんで比較的若く自分で食事も食べれるし、自排尿なども自立しておりリハビリ病棟…

在宅医療における慢性心不全の終末期医療

以前の経験した患者さんです。 90代の男性で5年前に心筋梗塞を患いカテーテルの治療受けましたが、左心機能不全にて治療抵抗性の慢性心不全でしたが、ご自宅で生活させていました。その後発熱に伴う意識障害、体動困難にて入院となり高齢の奥様に説明し急変…

栄養管理を科学する24

絶食で体タンパク(筋肉の喪失)はどうなる?下図は絶食6日で筋肉は2kg減少します。 グラフはブドウ糖100g投与、ブドウ糖200g投与を示しています。 これにより筋肉量の喪失は半減しますが、やはり糖質のみの補液では筋肉量の減少は避けられません。細菌話題の…

栄養管理を科学する23

どんな栄養を供給すればよいか? ,"data":{}},{"key":"3p5ja","text":"栄養素として6大栄養素を摂ることが必要となります。","type":"unstyled","depth":0,"inlineStyleRanges":,"entityRanges":,"data":{}},{"key":"efu5l","text":"しかし、補液で補えるの…

在宅医療: 転倒リスクを減らす提案#高齢者~在宅医療と抑制

高齢者の在宅医療において家族の負担となる一つの理由は、不穏などの症状です。 もちろん陽性症状として大声あげて外にでる、物を投げたりするなどの症状ある場合は、ある程度内服による管理必要と考えています。但し、少しふらつくからベッド上というのは高…

栄養管理を科学する22

間接熱量測定法は、吸気と呼気の酸素・二酸化炭素量から安静時エネルギー量を測定する方法であり、非常に正確に必要エネルギー量を算出してくれます。 ただし、実際の臨床とりわけ在宅診療において現実的に行うことが困難です。 ・8時間以上の絶食が必要 ・…

終末期の課題:非がん患者の病態と対応策#~癌でない病気の終末期

終末期医療というととても寂しい響きですが、在宅医療においては避けて通れない医療です。例えばがん患者さんが、抗がん剤治療などの効果が望めず、それ以上の無理な治療をしないことなどは終末期医療として分かりやすいかと思います。 但し、非がん患者さん…

栄養管理を科学する21

簡易法による必要エネルギー量の計算は非常に簡単です。 その利点は ・エビデンスに乏しいが、計算が簡単 ・多忙な臨床ではお勧め 上記より、必要あれば微調整すれば済むと私は考えております。 You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より 内田賢…

高齢者の腰痛と圧迫骨折~高齢者の腰痛に関する注意点

加齢に伴い腰痛は、かなりの頻度で生じます。腰痛に関する話を始めると終わりなき世界となるため、ここでは脊椎圧迫骨折についてお話しさせて下さい。 脊椎圧迫骨折は高齢者によくおこる骨折の一つです。診断に関しては、病歴が重要です。 ①受傷機転脊椎圧迫…

栄養管理を科学する20

① ハリス ベネディクトの式 同式はアプリもあり、科学的根拠に基づく数字のように見えますが 実際の数式に科学的根拠はありません また、直観的に理解しにくい 1918年×欧米のデータから日本人には不向き?とも考えられます。 You Tubeにて在宅診療の知識を学…

高齢者の痛みを緩和:PMRとRS3PE症候群の治療法#高齢者の痛み

高齢者の関節の痛みにPMRという病態があります。 また次回以降にこの病態は詳説させて下さい。 高齢者には 関節の痛みや疲れ、だるさ、気分が優れないなどの症状と遭遇することが多々あります。 そうした症状にてRS3PE症候群という病態があります。 病態概念…

高齢者のせん妄対策~高齢者が夜間不穏になった場合

認知機能が低下した高齢者が入院すると、かなりの確率で不穏となります。そうした場合、安全の為抑制し薬にて鎮静します。こうした処置にて徐々に身体が弱っていき肺炎などを併発して寝たきりに移行する患者さんを沢山診てきました。在宅医療では、可能な限…

栄養管理を科学する19

必要エネルギーの算出法については、 ①ハリスベネディクトの式 ②簡易法 ③間接熱量測定法 などがあります。これを次回以降詳述してまいります。 You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より 内田賢一 - YouTube 在宅医療 | さくら在宅クリニック | …

栄養管理を科学する18

どうする必要エネルギー量? 必要エネルギー量の計算は基礎エネルギー量消費量(生命維持に必要な最低限のエネルギー量)+活動量・ストレスに応じたエネルギー量(仕事、家事、走るストレス)の和によって求めることが必要です。 You Tubeにて在宅診療の知識を学…

高齢者の安全な薬物療法: NSAIDsのリスクと注意点

年をとると色々な箇所が痛くなります。腰痛などは、大なり小なりあると考えます。こうした際に痛み止めをどうするか。NSAIDsと呼ばれる痛み止めには胃潰瘍などを生じさせるリスクあり胃薬が必要です。痛み止めのロキソニンは切れ味は良いですが、その分副作…

栄養管理を科学する17

アルブミンの落とし穴?として反応が遅い(=半減期が約21日)ことが挙げられます。 これに対して総リンパ球数で評価することも有用です。 You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より 内田賢一 - YouTube 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市…

ポリファーマシーの功罪~薬は少なければ少ないほど良い

ガスター等のH2ブロッカーを長期間使用することで、高齢者の認知機能が低下するリスクが報告されています。これは中枢神経にもH2受容体存在することが、その理由です。ただし、こうした薬剤は脳内への移行はしにくいのですが、腎機能障害などにより排泄が遅…

栄養管理を科学する16

アルブミンの落とし穴? 下図が示すように、血管内の水分量でアルブミン値が変化します。 心不全などでは、見かけ上のアルブミン値が低下します。 脱水などでは、逆に見かけ上のアルブミン値が上昇します。 You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟…

高齢者医療における脱水対策

以前勤務していた病院の看護師さんのお母さんが痩せ薬として飲んでいたのが、利尿剤だったという笑えない話を聞いたことあります。ボクシングなどでも計量前にサウナで脱水となり計量に挑むのは有名な話です。高齢者医療においても脱水との闘いは大変です。…

栄養管理を科学する15

低アルブミン血症の鑑別疾患は? は下記に挙げられるものですが、非常に重要なことはCRPが上昇する炎症性疾患に関しても治療が必要となります。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com) You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみません…

在宅医療の課題:高齢者の食欲不振への解決策 #栄養管理

いつの時代もダイエットは、流行っています。 僕自身学生時代はラグビー部所属していたので、ケガをしないよう筋トレで体重増やしていた時期と、研修医時代に体重が8-10kg落ちた時期を除き多少の増減はありますが、最近20年は±1.5kg以内の変動です。 しかし…

高齢者不眠に対する考察~高齢者の夜は長い

ご高齢の患者さんの悩みの一つに眠れないというのがあります。 高齢者の不眠は生理的変化の一つで、実際に寝ている時間は加齢とともに短くなり、高齢者では6時間以下と言われています。 高齢者は熟眠感を得られる徐波睡眠の時間が短くなり、また中途覚醒時間…

栄養管理を科学する14

栄養状態を評価する際に、低アルブミン血症=低栄養状態では必ずしもないことに注意が必要です。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com) You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より 内田賢一 - YouTube 在宅医療 | さく…

栄養管理を科学する14

栄養状態を評価する際に、低アルブミン血症=低栄養状態では必ずしもないことに注意が必要です。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com) You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より 内田賢一 - YouTube 在宅医療 | さく…

栄養管理を科学する13

栄養状態を評価するには? Mini Nutritional Assessment簡易栄養状態評価表という評価方法があります。 これは前出のSubjective Global Assessment主観的包括的評価に比べて、スコア化により客観性を担保できるという特徴があります。 栄養管理においてアル…

在宅医療の未来を拓くAIコミュニケーション#GPT4

LINEにGPT4搭載させてみました(*患者様専用QRにて提示のQRは読み込めない形に編集しおります)。 仮説・目的は、患者さんとのコミュニケーションをAIにてより深くできるか?であり、目的は患者さんとのコミュニケーションの更なる深化です。 在宅診療におい…

栄養管理を科学する12

栄養管理においてアルブミンを使いこなすことが、とても重要です。 理由として ①血清中で最も多いタンパク質である ②栄養状態を推測しやすい ことが挙げられます。 血性アルブミン(Alb)正常値3.5以上として栄養状態を知る代表的な指標として常に意識する必要…

認知症予防と運動の重要性に関する新しい知見

前回運動による認知症予防効果について触れたのですが、逆の研究結果がBMJ. 2017 Jun 22;357に掲載されています。 内容は認知症を発症した患者とそれ以外の参加者の間で、追跡期間中の1週間あたりの総運動時間、低強度の運動をした時間、中~高強度の運動を…

栄養管理を科学する11

栄養状態の悪い人って? これは下図のように様々な要素により成り立つものであり、次回より原因について深堀していきます。 You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より 内田賢一 - YouTube 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-za…

認知症予防に効果的なウォーキングの新事実!#認知症リスク低下

アルツハイマー型認知症治療薬「アデュヘルム」のニュースが駆け巡りましたが、治療効果、治療適応、費用などまだまだ夢の薬でないというのが実感です。自身、年齢と認知機能のギャップのある方には、個人的によく3つの質問を20年近くしています。それは職…