2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧
シャキア訓練は、嚥下機能を向上させるトレーニングの一つで、喉頭挙上を強化し、飲み込む力を改善する効果があります。 シャキア訓練のやり方 ✅ 1回30秒を3セット/日✅ 仰向けの状態で行う✅ 下図のように適切な姿勢で実施 毎日継続することで、嚥下機能の維…
一般的に、椎間板の突出だけでは腰痛は生じにくい とされています。しかし、椎間板の変性が進行すると、腰痛を引き起こす機序も存在します。その際、画像評価において特徴的な所見として「Modic分類」 があります。 Modic分類とは? Modic分類は、椎体上下の…
在、日本で使用できる認知症治療薬は4種類ありますが、その先駆けとなったのが 「アリセプト」 です。この薬は日本発の認知症治療薬であり、開発者の 杉本八郎博士 は、英国ガリアン賞・特別賞や恩賜発明賞など数々の栄誉を受賞しました。まさに、日本を代表…
嚥下機能の低下を防ぐためには、適切なリハビリが重要です。特に、以下のトレーニングが効果的とされています。 嚥下機能を鍛えるリハビリ方法 ✅ シャキアエクササイズ → 嚥下時の喉頭挙上を強化し、飲み込む力を向上 ✅ 嚥下オデコ体操 → 額に手を当てて押し…
筋膜は、長らく解剖学や生理学においてあまり注目されてこなかった存在でした。しかし、筋の出力は筋単体で行われるものではない ことが、解剖図を見ても明らかです。 例えば、上腕の筋出力は「Superficial back arm line」という筋膜の連続性と力伝達システ…
リウマチ性多発筋痛症(PMR)とは? リウマチ性多発筋痛症(Polymyalgia Rheumatica: PMR)は、急に発症する首や肩、臀部の激しい痛みとこわばりを特徴とする疾患です。特に高齢者に多く見られ、日常生活を送っていた方が突然、全身の痛みにより起床できなく…
前回の記事で、嚥下障害とサルコペニア(筋肉量の低下)は密接に関係していることをお伝えしました。では、サルコペニアはなぜ起こるのでしょうか? サルコペニアの主な原因 1️⃣ 加齢 – 筋肉量の自然な減少2️⃣ 疾患 – 慢性疾患や炎症による筋力低下3️⃣ 低活…
腰痛患者さんのMRIを撮影すると、多裂筋の委縮が顕著にみられることが分かります。報告によると、腰痛患者の約80%に多裂筋の委縮が生じているとされています。しかし、この関連性を明確に説明した医学書や論文を見つけることはできませんでした。 では、な…
がん患者さんはさまざまな理由で嘔気や嘔吐が生じやすくなります。そのため、これらの症状を抑えるために、一般的にプリンペランやノバミンが使用されることが多いです。しかし、どちらもドパミン受容体拮抗薬であり、使用時には注意が必要です。 ドパミン受…
加齢とともに嚥下機能が低下する要因の一つに、嚥下関連筋群の衰えがあります。これらの筋肉は、食べ物を飲み込む際に重要な役割を果たしています。 嚥下関連筋群の主な働き ✅ 舌圧を保持し、喉頭を引き上げる✅ 喉頭を収縮させ、しっかりと閉鎖する✅ 食道の…
">高齢者における排尿障害(排尿困難、尿閉、頻尿、残尿感など)と尿路感染症(尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎など)は、密接な因果関係があります。加齢に伴い、膀胱や尿道の機能が低下し、排尿トラブルが増えることで、尿路感染症のリスクが高まります。本記事…
腰痛をはじめとする非特異的慢性痛に対して、ハイドロリリース(筋膜リリース)などの治療が万能とは言えないと私は考えます。 かつて、胃潰瘍は手術による治療が一般的でした。しかし、H2ブロッカーやPPIといった画期的な治療薬の登場により、手術をせずと…
加齢とともに全身の筋肉量が減少すると、舌の筋力や機能にも影響を及ぼします。 舌の筋力低下と嚥下機能の関係 舌は骨格筋の塊であり、その筋肉量や機能は咀嚼・嚥下機能の重要な指標 加齢により全身の筋力が低下すると、舌の筋肉量・筋力も低下 舌の動きの…
**筋膜リリース(ハイドロリリース)**は、単なる筋膜のほぐしではなく、細胞レベルで筋膜の基質そのものに作用し、その構成を変化させることがわかってきました。 コラーゲンと筋膜の強靭な構造 コラーゲンは非常に強い抗張力を持ち、同じ重量で比較すると…
「この患者さんは食べられるのか?」在宅医療に関わる方やご家族にとって、これはとても重要な判断ポイントです。 その見極め方として、シンプルなフローチャートで考えてみることをおすすめします。 食べること=人生の最期をどう過ごしたいか 「人生の最期…
徒手による筋膜リリースが、細胞レベルでどのような変化をもたらすのか、実験を通じて検証しています。 実験では、細胞に**反復運動負荷(Overuse状態)と圧迫負荷(筋膜リリースやハイドロリリース)**を加え、それぞれの影響を観察しました。 実験結果のポ…
SNSでは、食べ物の投稿が人の注目を集める要素 の一つになっています。特にインスタグラムでは、「インスタ映え」する景色や食事の投稿 が人気を集めます。 これは、人の 「知りたい × 感動したい × 食べたい」 という根源的な欲求が関係しているのかもしれ…
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年齢を重ねると、私たちの筋量や筋力は少しずつ低下していきます。この変化は、手足の筋肉だけでなく、摂食嚥下(食べたり飲み込んだりする機能)に関わる筋肉にも影響を及ぼします。 加齢による筋力低下がもたらす影響 筋量が減少することで、嚥下の「パワ…
私たちは理論物理学者ではないので、見えない世界を理論で構築する必要はありません。しかし、体表面からは見えない 筋膜 を治療する際に、もどかしさを感じることはないでしょうか? 実は、筋膜を 光学顕微鏡レベル で観察すると、その構造は非常に興味深い…
正岡子規と「食」の俳句 日本の俳句の中興の祖とされる正岡子規は、食べることに対して非常に貪欲だったといわれています。「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」という有名な句も、食べ物に関する作品の一例です。 一方で、西行や松尾芭蕉の俳句は、自然と心象…
「歩けない…」その原因の多くは、 加齢による筋力・筋肉量の減少 にあります。 実は、この現象は 嚥下(飲み込み)機能 にも同じように影響を与えるのをご存じですか?次回のブログでは、嚥下と筋力の関係について詳しく解説していきます! もっと詳しく学び…
線維芽細胞の多彩な役割とボディワークの可能性 線維芽細胞は、私たちの体の組織を形成・維持するうえで非常に重要な働きを担っています。その役割は実に多彩であり、建築業者、管理者、爆破工作者、救急救命士といった職業になぞらえて考えることができます…
日本の高度成長期にスーパーマーケットという概念を普及させたダイエーの創業者・中内功氏。彼の人生観には、戦時中の過酷な体験が深く影響を与えています。 戦地では補給が絶たれ、銃弾ではなく飢えや病で仲間が次々と倒れていくなか、中内氏が生き抜く原動…
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在宅医療の現場では、患者さんの活気がなくなり、経口摂取が難しくなってくると、痛みを和らげる治療が必要になります。その中で、**麻薬の貼り薬「フェントステープ」**はとても有効な選択肢の一つです。 フェントステープとは? フェントステープは、フェ…
筋膜リリース(ハイドロリリース)をはじめとする機械的刺激が、どのように細胞へ働きかけるのかについて解説します。 前回の説明の通り、コラーゲン線維からインテグリンへの機械的刺激が細胞内に張力を生み出し、この現象を**「応力波伝搬」**と呼びます。…
病院での治療を終え、自宅での生活に移行する際には、いくつかの重要な要因が影響を与えます。特に、経口摂取の自立や更衣・排泄の自立が、自宅退院の可否を決定づける最も重要な要素であることは、臨床現場でも実感されるところです。 しかし、これらの身体…
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんが意識障害を起こしている場合、それは非常に緊急度の高い状態です。迅速な対応が求められますが、一方で酸素投与には注意が必要です。 なぜCOPD患者への酸素投与に注意が必要なのか? 通常、私たちの呼吸中枢は血中の二…
筋膜リリース(ハイドロリリース)、鍼灸等々一般的に筋膜へのアプローチは、単純化するならば機械的刺激です。何かを静脈内へ注入する訳ではありません(いわゆる点滴ですね)、また物理的構築を変化させる訳でもありません(私が普段行っている脊椎の手術はこれ…