在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

ハイドロリリース(筋膜リリース)の細胞レベルのはなし

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ハイドロリリースにおける細胞レベルのはなし
筋膜リリース(ハイドロリリース)、鍼灸等々一般的に筋膜へのアプローチは、単純化するならば機械的刺激です。
何かを静脈内へ注入する訳ではありません(いわゆる点滴ですね)、また物理的構築を変化させる訳でもありません(私が普段行っている脊椎の手術はこれですね)。
では、こうした機械的刺激がどの様な機序で細胞レベルで影響を及ぼすのか
図に示したように細胞にはインテグリンというアンテナの様な構造物があります(正確にはreceptorです)。インテグリンの働きとして、細胞と細胞外マトリックスを接着させることが挙げられます。これは細胞外マトリックスとしてのコラーゲンにも当てはまります。
そしてインテグリンの特徴は、化学刺激でなく機械的刺激に反応、伸長と振動に鋭敏に反応することです。
言い換えるならば、身体の各細胞が細胞外マトリックスに接続されインテグリンを通じて環境をモニタリングしている。
筋膜リリース(ハイドロリリース)などの機械的刺激は、インテグリンを通じ細胞へ作用しているということです。
これについては、もう少し後で深堀させて頂きます。