在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

誤嚥性肺炎

患者さんの最期の時が近づくと発熱などを起こし息苦しくなることもあります。
意識状態が悪くなると抗生物質の投与と絶飲食となります。点滴をされるとこれを自己抜去しないよう身体拘束される場合が多いです。
 
イメージとしては下の図の様な感じです。
 
こうした拘束は患者さんの病状を益々悪くします。
自身の経験ですが、最後の時を迎える患者さんに点滴1本程度(水分として500cc)カロリーとして130-150kcal程度。ちょうどポカリスエット1本と考えるとイメージしやすいでしょう。
こうした患者さんが逆に緩やかに病状回復するとことを稀ならず経験します。こうした患者さんに無理やり通常通りの点滴をすると
①唾液や痰があふれてきます
②浮腫(むくみ)が生じます
③胸水、腹水が貯留します
 
植物が季節の終わり水を沢山あげると、水を処理できず早く傷んでしまいます。
死は生まれることと同様に『人としての尊い自然な営み』です。人生の最期をよりよい時間にするお手伝いできればと考えています。