在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

認知症治療の功罪~アリセプトの作用機序

アリセプトは、神経伝達物質のうち、アセチルコリンの働きを良くします。これによって短期記憶障害を改善されます。しかしアリセプトの本来の作用は、短期記憶障害の改善だけではないと私は考えます。アリセプトは、短期記憶障害以外にも改善が確認される場合が珍しくない。MCI(軽度認知機能障害)の段階で使うと、著明に改善する場合が珍しくありませんしかしアリセプト使用経験ある方には分かるかと思いますが、アリセプトの短期記憶障害の改善作用は長続きしない事が多いことです。1年もすると、飲み始める前より短期記憶障害が進行して来ることがほとんどです。そしてアリセプトには使いにくい側面があります。アリセプトには下痢や軽い消化器症状以外問題となる副作用はない。下痢や消化器症状も少量から慣らしていけば、ほとんど問題にならないとされています。それはアリセプトによる易興奮性です。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

写真は逗子在住山内明徳様撮影