在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

亜鉛不足になると

亜鉛が不足すると出現する症状として

  • 脱毛、皮膚炎②貧血③味覚障害③食欲不振④下痢

何か在宅医療・高齢者には、いくつか必ず当てはまるような症状です。特に慢性肝疾患、糖尿病、腎不全、慢性炎症性腸疾患があると、亜鉛欠乏に陥りやすいと言われています。慢性炎症性腸疾患以外は、高齢者によくみられる疾患です。血清亜鉛値の正常値は80~130μg/dLで、60μg/dL未満であれば、亜鉛欠乏症と診断できます。また、ALP(アルカリフォスファターゼ)は活性中心に亜鉛を持つことから、ALPが低値であることも亜鉛欠乏症と診断する根拠となります。疑わしい場合には血中亜鉛濃度も測定するのがよいと考えます。亜鉛欠乏の方が少なからずいます。亜鉛を補充したい場合は、亜鉛含有胃潰瘍治療剤のプロマックDを処方する方法があります(保険適応外ですが)。また低亜鉛血症に対して、亜鉛製剤であるノベルジンという薬が処方できます。但し、ノベルジンの欠点として薬価が非常に高い(25mg錠で269.5円、50mg錠で422.3円)ことがあげられます。25mg錠を1日2錠処方するとしたら、1か月の薬価は16170円です。この点を気にするのであれば、プロマックDを処方するのがよいでしょう。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

写真は逗子在住山内明徳様撮影