在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

訪問診療で最も大切なことは?

訪問診療で患者さんに聞く質問で一番大事なのはなんでしょう?

私は「食事はとれていますか?」だと思っています。

バイタルサインが正常で、食欲が低下していなければ、在宅療養は続けられると大まかに判断できます。

一方、食欲が低下していれば、感染症が起こっているのか、心不全が悪くなっているのか、癌があるのかなど、何らかの問題が背景にある可能性があります。

原因検索のため、また点滴のため、入院が考えられます。

もちろん、食欲が低下していても、難治性の疾患(老衰や癌や神経難病など)がすでに分かっている状態で、ご家族の理解が得られていれば、在宅療養をすることも考えられます。

食事量が正常(80%以上)で悪寒戦慄がなければ、菌血症は2.4%だったという論文※もあります。食事が十分にとれていれば、菌血症の可能性はかなり低いことを示しています。

食事摂取量は、在宅療養を続けられるかどうかを判断する上で、非常に重要な項目だと考えています。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

写真は逗子在住山内明徳様撮影