在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

高齢者の風邪

一般的に風邪にはPL顆粒(総合感冒薬)がよく処方されると思いますが、この薬は高齢者には特に危険です。PL顆粒1g(1回分)にはプロメタジンメチレンジサリチル酸塩という副作用が多いため今ではあまり使われなくなった第一世代の抗ヒスタミン薬が13.5mg入っています。この量は、主に鎮静作用を期待して使用される「ピレチア5mg錠」の2錠分にあたります。そのため過鎮静が起こる可能性があります。また、抗コリン作用によるせん妄、尿閉などが起こる可能性もあります。

私は、風邪に対しては漢方薬を処方しています。
特によく処方しているのが、コタロー麻黄附子細辛湯エキスカプセル です。麻黄附子細辛湯はその名の通り、麻黄、附子、細辛の3種類の生薬から構成されています。
麻黄には発汗作用、鎮咳作用があり、附子、細辛には体を温める作用があります。

「体力が虚弱(虚証)」「手足に冷えがある(寒証)」の方に合っているので、高齢者に適しているのです。

ツムラのでもよいのですが、コタローはカプセルなので飲みやすさを考え、こちらを出すことが多いです。用法用量は6C 分3 食前です。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)