在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

ヒルドイドは乾燥剤として作用する

ヒルドイド(ヒルドイドソフト軟膏やヒルドイドソフトクリーム)が皮膚に対し乾燥剤として作用していることがよく分かる症例を提示したいと思います。

90代男性。両足関節前面に非常に強い乾燥があり、痒みもあった患者さんです。皮脂欠乏性湿疹の診断で、ヒルドイドが塗布されていました。



ヒルドイドには水と油を混じり合わせるために合成界面活性剤が入っています。この合成界面活性剤が皮脂を溶かすことで、皮膚にとっては乾燥剤として作用すると考えられます。

高齢者は皮脂の分泌能力が低下しているので皮膚が乾燥しやすく、ヒルドイドを使うとより乾燥がひどくなります。

当院では、プロペトを塗布するように指示しました。

1ヶ月後が以下の写真です。



乾燥や痒みは消失し、最終的には外用薬を使わなくても済むようになりました。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)さくら在宅クリニックは逗子、葉山、横須賀、鎌倉の皆さんの健康と安心に寄与して参ります