在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

心不全を科学する

EFの保たれた心不全(HFpEF)って何?まず、正常な人の心臓は左室に10入り、大動脈から10駆出する状態です。心不全とは、一般的に左室のポンプ失調を示すものであり10入り、6しか駆出できないポンプ=エンジンの不全と考えます。EFとは心臓にどれだけ入り、どれだけ駆出できるかというエンジン性能を評価する指標です。一方、EFの保たれた心不全(HFpEF)とは、心臓に6入り、駆出が6という状態をイメージすると分かりやすくなります。これをEFで評価すると正常な心臓と同等となります。つまりEFの保たれた心不全(HFpEF)とは、下図のように心臓が硬く、繊維化が進み拡張不全となり心臓に血液をうまく入れられず生じる心不全と考えると分かりやすいと思います。