在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

パーキンソン病の日中傾眠ついて

最近のパーキンソン病(以下PD略)の経験ついて

80台の男性で無動(動けない)にて、横紋筋融解症にて搬送されPDの診断にて自宅へ戻り、その後のPDに対する治療行っていました。病期はハネムーン期(治療初期で治療が奏功する時期)にてL-DOPAをMAO-Bなど投与し、年齢から長期的な効果減弱<無動に伴う廃用が重要と考えて、2nd lineの投薬も積極的行っていきましたが、ある時期より日中の傾眠と突発睡眠(診療中に突如寝てしまう)を認め、PDの睡眠障害と考え、L-DOPA増量なども行いましたが、2nd lineの投薬であるドパミンアゴニスト休止にて劇的に症状の改善を認めました。パーキンソン病(PD)患者では振戦, 筋固縮, 寡動, 姿勢反射障害といった運動症状が日常生活動作(ADL)の妨げとなりますが、 自律神経障害(便秘, 起立性低血圧など)や精神症状(不眠, うつ, 不安など)などの非運動症状は生活の質(QOL)を低下させる原因となります。

 非運動症状の中でも睡眠障害は患者の6割以上が経験する頻度の高いものであり, 不眠(36.9%), REM睡眠行動異常(REM behavior disorder:RBD)(29.6%)や日中傾眠(excessive daytime sleepiness:EDS)(21.2%)が多いとされています。

 PD患者でEDSをきたす原因としては, 疾患の一症状として出現している可能性と, 夜間の睡眠障害により日中に眠気を自覚している可能性, L-ドーパやドパミンアゴニストなどの抗PD薬の副作用として出現している可能性などが挙げられる. 

ドパミンアゴニストは日中の傾眠と突発睡眠に関して注意喚起されていますが、これほどクリアに症状出現と回復は初めての経験でした。このドパミンアゴニスト×日中の傾眠、突発睡眠の理由(病態機序)を調べるとはっきりした記載を見つけられませんでした。いずれにしても臨床は奥深く、まだまだ新しい経験と勉強が必要と感じました。

 
#高齢者のパーキンソン病
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逗子、葉山、横須賀、鎌倉を撮影される山内様の写真です