在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

高齢者が夜間不穏になった場合

認知機能が低下した高齢者が入院すると、かなりの確率で不穏となります。そうした場合、安全の為抑制し薬にて鎮静します。こうした処置にて徐々に身体が弱っていき肺炎などを併発して寝たきりに移行する患者さんを沢山診てきました。在宅医療では、可能な限り不穏せん妄に関して薬物治療は控えたいのが心情です。しかし、現実は必要な場合も沢山あります。

せん妄の予防・治療として薬物治療は勧められないようですが、そう言ってられないのが現状です。まず、最も大切なことはせん妄に対する薬物治療で最も大事なことはベンゾジアゼピン系を使わないことです。

というのもベンゾジアゼピン系は意識レベルを低下させる薬物なので、せん妄を誘発させたり、せん妄をより悪化させてしまうからです。
すでにベンゾジアゼピン系を内服している場合は止めます。

ガスターも止めます。

また、抗ヒスタミン薬(アタラックスPなど)も抗コリン作用によりせん妄を誘発させるため使用してはいけません。

せん妄を起こしそうな患者さんに眠剤を処方する場合には、
デジレルレスリン25mg
抑肝散1包
ベルソムラ15mg
セロクエル25mg(糖尿病では禁忌)
などにしています。

現にせん妄を起こしている場合には、
リスパダール内用液0.5ml口腔内投与(錐体外路症状に注意)
セレネース5mgかコントミン10mg 筋注
が良いと思われます。

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逗子、葉山、横須賀、鎌倉を撮影される山内様の写真です