在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

Give me liberty, or give me death !( われに自由を与えよ,しからずんば死を)

この言葉はアメリカ独立戦争開始にあたり,ヴァージニア植民地協議会で,パトリック=ヘンリが叫んだ言葉だそうです。小学生の時にお婆ちゃんが買ってくれた学研シリーズで知った言葉です。話は少し逸れますが、子供の頃はこの学研シリーズが大好きでした。特に「できるできないの秘密」等、コピーライティングも秀逸なものばかりでした。アマゾンで今でも買えるらしく、子供に買ってあげようと思ってます。
ここから本題ですが、勤務医時代や現在の施設への訪問診療行うとスタッフから、「勝手に立ち上がり歩こうとして危ないです」とよく相談受けます。
最近の例では90代の女性で、認知症があり、勝手に歩かないように言ってもすぐに忘れて歩き出してしまうとのことでした。ちなみに、転倒して胸椎圧迫骨折を受傷した既往があり、転倒リスクは高い方です。
このようなケースはよくあります。
こうした場合、「歩ける人が歩こうとするのは止められないので、むしろ歩行器で歩くようにした方が良いのではないか。しかし、転倒のリスクは避けられないので、家族の理解も必要です。」と返答するようにしています。
歩かないようにさせるには、抗精神病薬を大量に使うことでぐったりさせて、薬で拘束するか、あるいは、車いすに縛り付ける身体的拘束が考えられますが、どちらも人道的にいかがなものかと思います。
立って歩くということは人間としての尊厳でもあります。歩かせないということは、人間としての尊厳を奪っていると思います。
家族に転倒のリスクを許容してもらい、結果的に、自由に施設内を歩けることが素晴らしい選択と考えるのですが如何でしょうか。
もちろん、転倒して骨折し、それが元で寝たきりになるかもしれませんが、人間としての尊厳は保たれたと言えるのではないでしょうか。
このような施設が増えていってほしいと思っています。まさにGive me liberty, or give me death !
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逗子在住山内明徳様撮影