在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 12

癌疼痛のある患者にステロイド投与は推奨されるか?という問いに対して自身は禁忌ない限り全例で投与しております。

とりわけ悪液質に対して有効であり倦怠感、食欲不振などに著効します。

注意点としては、緩和領域にて用いられるステロイドは、浮腫の原因となるミネラルコルチコイド作用に乏しい、作用時間の長いデキサタサゾン(デカドロン)、ベタメタゾン(リンデロン)が推奨されます。

具体的には下図のような症状に有効です。ガイドライン上は弱い推奨であり、下記に対して鎮痛補助薬として条件つきで推奨されています。

・脊髄圧迫症候群を含む神経圧迫

放射線治療後の一過性の痛み

・脳転移や癌性髄膜炎による頭蓋内圧亢進症状に伴う頭痛

再度繰り返しますが

終末期の倦怠感、食欲不振には禁忌が無ければ全例 ステロイド投与検討

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