在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

膀胱留置カテーテルの管理と抗生剤投与~感染と定着の違い

症例:90代で施設入居中

尿閉で約3年前から膀胱留置カテーテルが挿入されてる患者さんに、当院の訪問診療が始まりました。

施設に確認したところ、今まで2週間ごとにカテーテル交換がされていました。交換の度に尿培養検査が行われ、細菌が検出されると、抗生剤が処方されていました。

細菌が検出される度に抗生剤が処方され、抗生剤は慢性的に内服していたようでした。

その結果、薬剤耐性菌が検出されるようになり、施設では患者さんの触れたところをその都度全てアルコール消毒しているようでした。

そのことで患者さんは差別を受けているように感じ落ち込んでおり、「死にたい」といった悲観的な訴えもみられるとのことでした。

なぜこんなことになってしまったのかと言うと、ボタンを掛け違えたからです。

ボタンの掛け違いは、無症候性細菌尿を治療したところから始まっています。

当院では、発熱などの症状がみられない限り抗生剤は投与しない方針にしました。

長期間抗生剤が投与されたので薬剤耐性菌が検出されているだけで、薬剤耐性菌が危険な菌なのではありません。施設にはアルコール消毒などは行わず、他の入居者と同じように接するように指示しました。

現在、初診から4ヵ月経過しています。多少の血尿、尿臭、尿もれなどはみられていますが、抗生剤は投与せずに経過観察しています。

これは、傷の治療でも同じことが言えます。傷口から細菌が検出されたからといっても、症状がなければ治療する必要はありません。

治療が必要なのは、あくまで感染の徴候(発赤、熱感、腫脹、疼痛)がみられた時です。

You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より

内田賢一 - YouTube

#無症候性細菌尿

#感染の徴候

#膀胱留置カテーテル

#尿路感染

在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)