在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

ハイドロリリースを科学する21~【腰痛の誤解】実は“椎間板ヘルニア=腰痛”ではない?

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椎間板ヘルニア」と聞くと、多くの方が「腰が痛い」というイメージを持っているかもしれません。
ですが実は――

椎間板の突出(いわゆるヘルニア)によって生じるのは、主に**坐骨神経痛(下肢痛)**です。

腰そのものの痛み(腰痛)は、必ずしもヘルニアから直接くるわけではありません。


では、腰痛が出る場合はどういうメカニズム?

椎間板周囲の神経支配は非常に複雑で、以下のような流れで腰痛が引き起こされることもあります

  1. 椎間板にメカニカルストレス(物理的負荷)
  2. 炎症性サイトカインが放出される
  3. 自由神経終末が刺激され、痛みとして認識される
  4. 腰痛として感じる

つまり、**“椎間板性腰痛”**と呼ばれる状態です。


椎間板性腰痛の特徴とは?

以下のような症状がある場合は、椎間板が原因の腰痛を疑います。

  • 椅子から立ち上がる時に腰が痛む
  • 前屈動作で両側に痛みが出る
  • 表面的な痛みではなく、深部にズーンと響くような痛みがある

こうした症状がある場合、ヘルニアではなく「椎間板性腰痛」の可能性を考えてみるとよいでしょう。


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