在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

在宅でも安心して呼吸管理を ― 気管切開・人工呼吸器管理と「持続吸引」のススメ ―

画像が生成されました気管切開をして人工呼吸器を使用している患者さんは、自力で痰を排出することができないため、適宜の気管内吸引が欠かせません。
在宅医療の現場で、この「吸引」が大きなハードルになることがあります。

💡吸引は、「呼吸の通り道を掃除する」というイメージです。

特に誤嚥防止術を行っていない方では、唾液などが気管内に流れ込みやすく、1日に20〜30回、時にはそれ以上の吸引が必要となることもあります。
この頻度では、ご家族の負担も非常に大きくなってしまいます。


🌟そこで注目されているのが「持続吸引システム」

アモレSU1」という機器は、気管内の痰を24時間、自動かつ低圧で持続吸引してくれる優れものです。
使用には、専用の**「コーケンダブルサクションカニューレ」**が必要です。これは、通常の気管カニューレに吸引チューブと吸引口が一体化された構造で、カフ下部の痰を持続的に排出する仕組みです。

▼どんな痰を吸っているの?

肺に病気がない方の場合、痰の多くは唾液や鼻水などの垂れ込みが原因。持続吸引により、それらが肺に届く前に吸引されるので、肺炎予防にも役立ちます。


🔄 間歇吸引 vs 持続吸引

内容 間歇吸引 持続吸引
吸引頻度 20〜30回/日(介助が必要) ほぼ不要(自動)
痰の固結化 起こりやすい 起こりにくい
介護者負担 非常に大きい 大幅に軽減
睡眠 夜間も吸引が必要で中断されがち 患者も安心して就寝可能

🔧システム運用の注意点

  • 詰まりが起きた場合、吸引力がゼロになってしまうため、対処法を準備しておく必要があります。

  • カニューレのサイズがこれまで使っていたものと大きく異なるため、導入前に医師や訪問看護師と相談を。

  • 体位変換やタッピングなど、肺の隅にたまった痰を動かすケアは、持続吸引導入後も継続が必要です。


💡ちょっとした工夫でさらに快適に

※以下はあくまで私見ですが、導入後の安定運用の一助になればと考えています。

  • 肺内湿潤環境の整備
     → 水分摂取、加湿器、ムコダイン処方など

  • 痰の固結化予防処置(朝夕2回・所要3分程度)
     1. 通常吸引(20~30秒)
     2. カテーテルからエアフラッシュ(60秒)
     3. 5mlシリンジで1.5mlの生理食塩水注入
     4. 再度フラッシュ+吸引で終了

このルーチンで、痰のこびりつき(まるでサビのように固まる現象)を効果的に防げます。


📷運用後の安心材料

  • 機器の動作音は深夜でもほとんど気になりません。

  • 導入から約2週間後の胸部レントゲン・血液検査で異常所見は見られませんでした。


🎥さらに学びたい方はこちら

在宅医療のリアルをわかりやすく発信中!
YouTubeチャンネル ▶ 内田賢一の在宅医療チャンネル

▶ クリニック情報はこちら
さくら在宅クリニック|逗子市


#持続吸引器 #気管切開 #アモレSU1 #人工呼吸器 #コーケンダブルサクションカニューレ

#在宅医療 #逗子 #葉山 #横須賀 #鎌倉 #横浜