在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

尿バッグが紫色に!? ―「パープルバッグ症候群」とは?

在宅医療の現場で、尿道カテーテルを長期間使用している患者さんから、
「尿のバッグが紫色なんですが、大丈夫ですか?」というご相談を受けることがあります。

これは**「紫色尿バッグ症候群(Purple Urine Bag Syndrome)」と呼ばれる現象で、
見た目に驚かれるかもしれませんが、基本的には
深刻な問題ではありません**。

💡どうして紫色になるの?

以下のようなメカニズムで起こります:

  1. 便秘があると腸内細菌が異常に増殖

  2. 腸内細菌が持つ酵素(トリプトファナーゼ)により、食事に含まれるトリプトファンインドールに分解される

  3. インドールは肝臓で代謝されてインドール硫酸となり、尿中に排泄される

  4. 尿路感染があると、尿中のインドール硫酸が分解されて、**インディゴ(青)インジルビン(赤)**が発生

  5. これらが混ざると紫色になり、尿バッグだけが紫色に染まるのです
    ※実際の尿は、通常通り黄色です。


✅ 対応はどうする?

  • パープルバッグ症候群は、便秘と尿路感染の可能性を示すサインではありますが、
     無症候性細菌尿(症状のない尿路感染)は、原則として治療不要です。

  • 便秘があれば改善を検討することで、再発の予防につながります。


💬「見た目はびっくりしますが、慌てずに状態を確認しましょう」


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「さくら在宅クリニック」は、逗子・葉山・横須賀・鎌倉エリアを中心に、
神経難病やがん末期などの在宅療養を支援しています。医師・看護師・ケアマネジャーが連携し、
ご自宅で安心して過ごせる医療体制を整えています。

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