在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

「歩ける喜び」をもう一度──慢性疼痛とオピオイド治療の再考

私が脳神経外科医として勤務していた頃、主に扱っていたのは脳の血管障害──くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞といった疾患でした。加えて、脊椎外科をサブスペシャルティとして手がけ、脊椎外科技術認定医の資格も取得しています。

しかし、在宅医療に携わるようになって特に難しさを感じているのは、超高齢者における慢性の腰痛・下肢痛への対応です。成人脊柱変形(いわゆる側弯症)に代表される疾患は、手術が困難なケースも多く、治療選択に悩まされる場面が増えました。

がん性疼痛に対しては、オピオイド(いわゆる「麻薬」)の使用により比較的明確な方針で対処できます。しかし、がん以外の慢性疼痛では、非麻薬性の鎮痛薬では効果が乏しく、薬剤がどんどんと増えていくばかりという現状があります。


■ デュロテップによる在宅での劇的改善

最近、印象深いケースがありました。
「足の痛みで終日ベッドから出られない」という高齢患者さんの在宅診療の依頼を受け、**デュロテップ(麻薬性貼付剤)**を導入しました。すると、痛みが劇的に軽減され、200歩以上も自宅内を歩けるようになったのです。

ご本人からは、「暖かくなったら外へ散歩に行きたい」という言葉が聞かれ、医療者として本当に心を動かされました。痛みに苦しんでいた姿を知っているからこそ、その変化は鮮明でした。


■ 慎重な運用が前提──だからこそ支援が必要

もちろん、オピオイドには依存性や呼吸抑制などのリスクが伴うため、慎重な管理と十分な説明が必要です。訪問薬剤師による薬剤指導、そしてご家族の理解と協力が不可欠です。

痛みは数値や画像で「見える化」できない症状だからこそ、軽視されがちです。ですが、痛みは生活の質を著しく損なうものであり、時に生きる希望すら奪ってしまうものです。だからこそ、私たち医療者は、がんであろうとなかろうと、「痛みをどう取り除くか」にもっと敏感でありたいと考えています。


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