近年、エコーを用いた末梢神経ブロックが普及し、胸部・腹部の手術や慢性痛に対する安全で有効な鎮痛手段となっています。ここでは 胸部ブロック と 腹横筋膜面ブロック(TAPブロック) を取り上げます。
胸部ブロック(胸壁ブロック・傍脊椎ブロック)
特徴
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「背中に入れる痛み止めのカテーテル」という点では硬膜外麻酔と似ていますが、
→ 標的は脊髄ではなく 末梢神経
→ 片側だけ に効果を及ぼせるのが特徴
エコーでの役割
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肋骨や肺を確認しながら穿刺部位を決定
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気胸などのリスクを減らすために エコー確認は必須
適応
腹横筋膜面ブロック(TAPブロック)
特徴
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腹壁を支配する神経は 内腹斜筋と腹横筋の間 を走行
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そこに局所麻酔薬を注入し、必要に応じてカテーテルを留置
エコーでの描出ポイント
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プローブを当てると 3層の筋(外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋) を確認できる
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内腹斜筋と腹横筋の間に薬液を投与
適応
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外科・婦人科・泌尿器科の腹部手術
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ペインクリニック領域での腹部慢性痛
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凝固異常や出血傾向のある患者にも比較的安全に施行可能
カテーテル留置と確認方法
末梢神経ブロックを持続させたい場合はカテーテルを留置します。
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神経周囲や筋膜面に留置し、長期では糸で固定することもある
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エコーでカテーテル全体を描出するのは困難
→ 薬液を注入して広がりや組織の動きを確認する ことで先端位置を把握
まとめ
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胸部ブロックは 肺や肋骨を確認しながら行うことで安全性が向上
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TAPブロックは 腹部手術や慢性痛の鎮痛に有効
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エコーによって解剖を可視化し、安全で確実なカテーテル留置が可能
エコーガイド下の末梢神経ブロックは、硬膜外麻酔に代わる選択肢として、今後さらに活用の幅が広がっていくと考えられます。
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