
― KTバランスチャートと“攻めの栄養管理” ―
■ 口から食べることを「攻めていく」ために
口から食べることを守り、さらに一歩前へ進めるためには、
評価を可視化できるツールが欠かせません。
その中で有効なのが KTバランスチャート です。
KTバランスチャートは、
✔ 信頼性・妥当性が検証された評価ツールであり、
✔ 摂食嚥下・栄養・生活全体を包括的に捉えることができます。
経口摂取へ挑むためには、「危険だから控える」ではなく、
状況を見極めた上で栄養ルートを選択し、早期から経口摂取を支援する
“攻めの栄養管理” が重要です。
■ はじめに
私たちは皆、経口摂取の重要性をよく理解しています。
栄養補給において、経口摂取が他の方法と比べてどれほど価値のあるものかも、十分に認識しています。
しかし――
「本当に行動できているか?」
「挑み続けているか?」
と問われると、
外的圧力や阻害因子を理由に、踏みとどまってはいないでしょうか。
私が初めて
「口から食べる幸せを守る会」代表・小山珠美氏の講演を拝聴した際、
経口摂取を願う患者・家族に寄り添いながら、
高度なスキルをもって果敢に挑み続ける看護師の姿に深い感銘を受けました。
小山氏らは、
観察と実践からアセスメントと支援方法を導き出す包括的スキルとして
「口から食べるバランスチャート(KTバランスチャート)」 を開発・普及し、
さらにその信頼性・妥当性の検証まで行ってきました。
現在では、KTバランスチャートは医療・福祉現場に広く普及し、
在宅や地域住民へ対象を広げた 「食事サポーター制度」 へと発展しています。
食と栄養に関わる管理栄養士・医療者として、
先頭を切って“攻め続ける”姿勢に続くことは私たちの責務だと感じています。
本稿では、
**KTバランスチャートを媒体として考える「攻めの栄養管理」**について紹介します。
■ KTバランスチャートの概要
KTバランスチャートは、以下の 4つの視点・13項目 で構成されています。
① 心身の医学的視点
-
食べる意欲
-
全身状態
-
呼吸状態
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口腔状態
② 摂食嚥下の機能的視点
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認知機能
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咀嚼
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送り込み
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嚥下
③ 姿勢・活動的視点
-
姿勢・耐久性
-
食事動作
-
活動性
④ 摂食状況・食物形態・栄養的視点
-
摂食状況レベル
-
食物形態
-
栄養状態
■ 評価の特徴と強み
各13項目は 1~5点でスコア化 されます。
-
1点:かなり不良/非常に困難
-
2点:不良/困難
-
3点:やや不良/やや困難
-
4点:概ね良好
-
5点:かなり良好
それぞれに
✔ 明確な判定基準
✔ ステップアップのための指標
が示されており、
評価 → ケア → 再評価 の循環を自然に作ることができます。
特に重要なのは、
👉 良好な項目=その人の「強み」 を活かし、
👉 不足している部分を補うアプローチを組み立てられる点です。
これにより、
「できないこと」だけに焦点を当てるのではなく、
生活者としてのバランスと調和を包括的に支えることが可能になります。
■ 可視化がもたらす力
KTバランスチャートを用いることで、
-
介入が必要な側面
-
現在保たれている能力
-
介入後の変化
が 可視化 されます。
その結果、
✔ 本人・家族
✔ 医師・看護師・ST・管理栄養士・介護職
といった 多職種間で現状を共有 しやすくなり、
具体的で現実的なプラン作成が可能となります。
「口から食べる」を本気で支えるために、
KTバランスチャートは 挑戦を後押しする“武器” だといえるでしょう。
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