
― エネルギー消費量をどう見積もるか ―
栄養障害を有する患者さんに栄養サポートを行う際、最も重要となるのが
総エネルギー消費量(Total Energy Expenditure:TEE) の算定です。
TEEを適切に見積もれなければ、
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栄養不足による改善不良
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過剰投与による代謝負荷・合併症
のいずれも招きかねません。
ここでは、臨床でよく用いられるTEE算定の基本的な考え方を整理します。
エネルギー消費量(TEE)の求め方
栄養投与量を決める際のTEE算定には、主に以下の2つの方法があります。
① REE / BEE を基に算出する方法
まず、
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安静時エネルギー消費量(REE:Resting Energy Expenditure)
または -
基礎代謝量(BEE:Basal Energy Expenditure)
を推定し、そこに
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ストレス係数(Stress Factor:SF)
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活動係数(Activity Factor:AF)
を乗じて算出する方法です。
👉 より理論的で精度が高い方法ですが、
係数設定には臨床判断が求められます。
② 簡便法(体重あたりエネルギー量)
もう一つは、
理想体重1kgあたり30~40kcal
を目安としてTEEを求める簡便な方法です。
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急性期・短期間の目安
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詳細な評価が難しい場面
では有用ですが、
リハビリ介入量や病態差を反映しにくいという限界があります。
活動係数(AF)の考え方
活動係数(AF)は、TEE算定において極めて重要な要素です。
一般的には以下のように設定されることが多いとされています。
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寝たきり:1.0
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ベッド上安静:1.2
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ベッド外活動あり:1.3~1.4
しかし、リハビリ介入がある患者さんでは、この設定では不足することが少なくありません。
リハビリ介入を踏まえた活動係数の目安
リハビリ内容やADL状況に応じて、AFは調整が必要です。
活動係数(AF)の目安例
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車椅子・全介助
→ 1.2 前後 -
日中車椅子使用・歩行練習開始
→ 1.2~1.3 -
日中車椅子使用・病棟内歩行開始
→ 1.3~1.4 -
日中(杖)歩行・ADL練習主体
→ 1.4~1.5 -
日中(杖)歩行+階段昇降・筋力トレーニングなど高負荷練習主体
→ 1.5 以上も検討
※ 回復期リハビリテーション病棟の知見をもとに整理
活動係数設定で注意すべきポイント
① セラピスト訓練以外の活動も考慮する
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ADL訓練
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自主訓練
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病棟内移動
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徘徊がある場合
これらも実際のエネルギー消費量を大きく左右します。
② 神経疾患・麻痺がある場合
活動係数の設定には、特に注意が必要です。
「動いていないように見える」からといって、
必ずしも消費エネルギーが低いとは限らない点が重要です。
栄養投与量は「仮説」で決め、検証し続ける
エネルギー投与量の設定に、絶対的な正解はありません。
だからこそ、
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仮説を立てる
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投与する
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体重・筋肉量・ADL・疲労度などで評価する
-
必要に応じて修正する
という
仮説構築 → 検証 → 判断 → 再構築
のサイクルを回し続けることが重要です。
これは、前回お伝えした
SMARTなゴール設定と完全に連動する考え方でもあります。