
― 攻めの栄養療法を支える“もう一つの柱” ―
エネルギー量と並んで重要なのが、たんぱく質投与量の設定です。
たんぱく質は、筋肉量の維持・増加、免疫機能、創傷治癒などに直結するため、
「足りていればよい」では不十分な栄養素です。
高齢者における必要たんぱく質量の目安
日本人の食事摂取基準(2020年版)
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、
フレイル・サルコペニア予防を目的とした場合、
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高齢者(65歳以上)では
少なくとも 1.0 g/kg(現体重)/日以上
のたんぱく質摂取が望ましいとされています。
PROT-AGE研究グループの提言
PROT-AGE研究グループのポジションペーパーでは、
活動量や病態に応じて、より高い摂取量が推奨されています。
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活動量の多い高齢者
→ 1.2 g/kg(現体重)/日以上 -
著しい低栄養状態の高齢者
→ 最大 2.0 g/kg(現体重)/日以上
が必要となる場合もあります。
攻めの栄養療法におけるたんぱく質量
整理すると、
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通常の栄養療法
→ 1.0 g/kg(現体重)/日以上 -
攻めの栄養療法
→ 1.2~2.0 g/kg(現体重)/日
が一つの目安となります。
特に、
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筋肉量を増やしたい
-
ADL改善を目指したい
-
リハビリ負荷が高い
といった場合には、
エネルギーだけでなく、たんぱく質量を明確に意識する必要があります。
低栄養を見たら、まず「原因」を考える
低栄養を認めた場合、
最初に行うべきことは 摂取量を増やすことではなく、原因の整理です。
低栄養の原因は、以下の4つに大別されます。
① 慢性疾患+炎症を伴う低栄養
👉 炎症による異化亢進が背景にある
② 急性疾患・外傷による高度炎症性低栄養
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重症感染症
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外傷
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術後早期 など
👉 ストレス係数(SF)・たんぱく質需要がともに高い
③ 炎症が乏しい慢性疾患による低栄養
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神経疾患
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加齢に伴う活動量低下 など
👉 摂取不足・活動低下が主因
④ 飢餓による低栄養
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食事量低下
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経済的・社会的要因 など
👉 エネルギー・たんぱく質ともに不足
原因により、エネルギー・たんぱく質の設定や介入方法は大きく異なります。
必要エネルギー量算出の基本式(再確認)
必要エネルギー量は、以下の考え方で算出します。
BEE算出(Harris–Benedict式)
男性
女性
体重変化を目指す場合の考え方
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体重増加を目指す場合
-
体重減量を目指す場合
たんぱく質も「仮説」で設定する
たんぱく質投与量も、
計算式で決めて終わりではありません。
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体重
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筋肉量
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浮腫
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腎機能
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疲労感
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リハビリ耐性
などを必ずモニタリングし、
仮説 → 実施 → 評価 → 修正
のサイクルを回し続けることが重要です。
これは、これまで述べてきた
SMARTなゴール設定・仮説思考・攻めの栄養療法
すべてと一貫した考え方です。