在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

攻めの栄養療法を科学する47~「守り」だけでは足りない

画像が生成されました


代替栄養における“攻めの投与”という考え方

はじめに

代替栄養として経管栄養を選択する場面では、腹部症状や誤嚥性肺炎などの合併症を予防する目的で、少量の栄養を慎重に注入するケースを多く経験します。
注入開始時には、合併症を回避するために少量から開始し、数日おきに段階的に増量していく——この「慎重な導入」は非常に重要です。

しかし、リハビリテーションを開始し、身体機能の回復を積極的に目指す段階に入っても、過度に「守りの投与」を続けてしまうとどうなるでしょうか。
必要なエネルギーやたんぱく質が不足した状態が続けば、医原性サルコペニアを引き起こすリスクが高まります。

たとえ経口摂取再開までの“つなぎ”であったとしても、十分な栄養投与はその後の回復力に直結します。
常にリスクを意識しながらも、状態に応じて「攻めの投与」を検討していく視点が求められます。


代替栄養の考え方

経口摂取のみで必要な栄養量を十分に確保できない場合には、静脈栄養や経管栄養による栄養療法が必要となります。
一般に、必要エネルギー量の60%以下しか摂取できない状態が1週間以上続くと予想される場合には、代替栄養を考慮すべきとされています。

また、日本静脈経腸栄養学会では、腸管が使用可能な場合には経腸栄養療法(enteral nutrition:EN)を優先することが推奨されています。
腸管を使用することは、腸管機能や免疫機能の維持、感染リスク低減にもつながる重要な要素です。

代替栄養は単なる「補助」ではなく、
回復を支え、リハビリ効果を最大化するための治療戦略の一部です。
「守るべき時」と「攻めるべき時」を見極めながら、栄養投与をデザインしていくことが重要だと考えます。


👉 在宅医療・栄養管理に関する情報はこちら
https://www.shounan-zaitaku.com/

#在宅医療
#経管栄養
#代替栄養
#経腸栄養
#栄養管理
#サルコペニア予防
#リハビリと栄養
#攻めの栄養管理
#医療者向け