在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

攻めの栄養療法を科学する50~攻めの栄養療法と経管栄養

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― 回復を支えるための“正しい選択” ―

「攻めの栄養療法」の基本原則

「攻めの栄養療法」を実践するうえでの大原則は、可能であれば経腸栄養(EN)を最優先することです。

まず、経口摂取が可能であれば食事から摂取することが基本となります。
経口摂取量が不十分な場合には、

  • 調理方法の工夫

  • 補助栄養食品

  • 栄養剤の追加

などを組み合わせて対応します。
それでも必要栄養量を満たせない場合に、全体の栄養投与量を考慮したうえで、静脈栄養や経管栄養による補充を検討します。


経管栄養を選択する際に重要なこと

経管栄養法を選択する際には、患者さん本人やご家族への十分で正確な説明が不可欠です。

近年、「胃瘻バッシング」と呼ばれる風潮の影響もあり、
医学的に最適な栄養管理法であっても、胃瘻を選択できないケースが存在します。
その背景には、栄養管理そのものへの理解不足があると考えられます。

経管栄養に対するネガティブなイメージを抱いたままでは、
リハビリを含めた“攻めの栄養療法”を十分に行うことは困難です。

繰り返しになりますが、

  • 栄養管理の明確な適応があり

  • 長期的な栄養管理が必要な場合

には、経管栄養が第一選択となります。

そのためには、患者さん・ご家族だけでなく、
医療者、介護職、さらには社会全体(報道など)に対しても、経管栄養の実績や意義を正しく伝えていくことが重要です。
これが「攻めの栄養療法」を実現するための土台になります。


経管栄養による「攻め」の実践方法

経管栄養を用いた攻めの栄養療法では、初期投与量の設定が極めて重要です。

基本的には、
Harris–Benedict式 × 活動係数 × ストレス係数 + 蓄積量
を用いて初期投与量を決定します。

その後、

  • 体重の推移

  • 筋量の変化

  • リハビリ量・運動負荷

などを評価しながら、段階的に増減していきます。

ここで注意すべきなのは、
エネルギー量だけを見て“攻めてしまう”ことの危険性です。

エネルギーのみを指標にすると、

といったリスクが高まります。

「攻める」ためには、
👉 患者さんの全身状態・病態・適応を踏まえたうえで、総合的に判断すること
が何より重要です。


攻めの栄養療法とは

「多く入れること」ではなく、「回復につながる量を、適切に届けること」

そのための有力な手段として、
経管栄養は「守り」だけでなく、回復を後押しする“攻め”の治療手段になり得ます。


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https://www.shounan-zaitaku.com/

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