自身の抑肝散処方で忘れられない症例は、頚椎症性脊髄症の患者さんで、手術前日にせん妄状態になった患者さんです。誰もが知る某有名企業の人事部長でリストラの断行している最中に文字も書けないくらいの症状増悪にて手術予定となりました。月曜日の手術予定で金曜日入院となりましたが、患者さんが前後不覚との報告にて土曜の夜に患者さんを診に行くと別人のようでした。その際に抑肝散を処方して、無理そうなら手術中止の判断で翌日病院へ行くと、元のきちんとした部長さんに戻ったおり、漢方薬の作用に処方した私が驚きました。そして抑肝散は高齢者の認知症における周辺症状(BPSD)によく処方されます。しかし、BPSDがあれば、なんでもかんでも抑肝散を処方すればよいわけではないので注意が必要です。
自身もつい最近K値が2.5以下という症例を経験し、肝を冷やしました。
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