片頭痛の「治療」は、
ここまで進化しました
発作を「止める」薬と、発作を「減らす」薬。
いまの片頭痛治療の全体像をやさしく整理します。
#片頭痛#片頭痛治療#トリプタン#CGRP#片頭痛予防#頭痛#頭痛でお悩みの方へ
治療には「2つの柱」があります
片頭痛の治療は、大きく急性期治療(発作のときに痛みを止める)と 予防療法(発作そのものを減らす)の2本立て。 それぞれに「一般的な薬」と「片頭痛にねらいを定めた薬」があります。
全体像を「4つのマス」で
タイプごとの効き方は、消火にたとえるとイメージしやすいと、書籍でも紹介されています。
非特異的一般的な薬
特異的片頭痛にねらいを定めた薬
急性期
(発作時)
トリプタン ほか
レイボー・ゲパントなど新しい薬も
🚒 消防車
予防
(ふだん)
従来の予防薬
血圧・てんかん・気分の薬などを応用
🚙 エンジンブレーキ
CGRP関連薬
片頭痛の仕組みに直接はたらく
🦶 フットブレーキ
発作を止める薬(急性期治療)
💊
鎮痛薬軽い発作にはまず一般的な痛み止め。ただし使いすぎには注意(後述)。
🎯
トリプタン片頭痛にねらいを定めた薬で、多くの方に有効。ただし血管を収縮させる作用があり、心臓・血管の病気がある方には使えないことがあります。
🆕
レイボー(ラスミジタン)/ゲパント新しい選択肢近年登場した薬で、血管を収縮させないのが特長。心血管の病気がある方や高齢の方の選択肢になることがあります(レイボーは眠気に注意)。
🤢
制吐薬(吐き気止め)吐き気を抑えるだけでなく、痛み止めの吸収を助ける役割も。発作中は薬が吸収されにくくなるため、組み合わせることがあります。
発作を減らす薬(予防療法)
発作の回数が多い、急性期の薬を使う日が増えてきた――そんなときは予防を考えます。 従来は、血圧・てんかん・気分の薬などを応用した予防薬(=エンジンブレーキのように、じわっと効く)が中心でした。
近年は、片頭痛の仕組みに直接はたらくCGRP関連薬が登場しました。 月1回などの注射薬(エムガルティなど)に加え、2025〜2026年には飲み薬のタイプ(ゲパント)も使えるようになっています。 日本頭痛学会も2025年に、CGRP関連の抗体薬を予防の第一選択に含めてよいとする見解を示しました。「片頭痛を本格的に予防できる時代」になってきています。
「トリプタンが効かない」と感じたら
効かないと決めつける前に、次のような点を医師と一緒に見直すと、うまくいくことがあります。
1
本当に片頭痛? 別のタイプの頭痛かもしれません。
2
飲むタイミングは? 早すぎ(まだ緊張型頭痛の段階)や、遅すぎ(吸収が落ちている)でも効きにくくなります。
3
吐き気で吸収が落ちていない? 発作中は薬が吸収されにくく、制吐薬の併用が助けになることも。
4
月経と関係していない? 月経に関連する片頭痛は効きにくいことがあり、対応の工夫があります。
5
ほかの原因はない? 副鼻腔炎などの別の病気や、薬の使いすぎによる頭痛のことも。
6
1回で見限っていない? 数回試して判断を。合わなければ別の種類が合うこともあります。
※ 量・剤形(錠剤/点鼻/注射)・種類の変更は、必ず医師とご相談ください。
⚠ 大切な注意
- ここで紹介した薬はすべて処方薬です。自己判断で量や回数を増やさないでください。
- 市販薬を含め、痛み止めを使いすぎると「薬物乱用頭痛」を招くことがあります(目安:単純な鎮痛薬は月15日以上、トリプタン等は月10日以上)。
- 心臓・血管の病気がある方はトリプタンが使えないことがあります。その場合は血管を収縮させない別の薬を医師と相談できます。
在宅医療の現場から
「もう頭痛とは一生つき合うしかない」とあきらめている方もいますが、治療の選択肢はこの数年で大きく広がりました。 血管に負担をかけにくい新しい薬も登場し、高齢の方や持病のある方でも選びやすくなっています。 さくら在宅クリニックでは、ご自宅で頭痛のご相談をお受けし、タイプの見極めから治療の組み立て、必要に応じた専門医への橋渡しまで行います。くり返す頭痛でお困りのときは、どうぞご相談ください。