在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

6.3パーキンソン病に関する勉強会をwebにて開催いたします

6.3パーキンソン病に関する勉強会をwebにて開催いたします。
医療関係者だけでなく、どなたでも参加可能です。
変性疾患として最も頻度の高い疾患であり、近年疾患概念が大きく変化している病気です。
認知症と同じくらい、手の震え、歩きにくい等の症状で患者さんから「パーキンソン病じゃないですよね?」と聞かれること多い病期でもあります。
近年、認知症との併存や、プリオンの様な病態の可能性、遺伝、環境因子等様々なことが分かってきました。同時に速やかな治療開始は機能予後の改善に寄与することなど新たな知見も集まりつつある疾患です。
分かりにくいことをを分かりやすく!をモットーに一緒に勉強していけたらと考えております。

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降圧剤を飲む時間

Wake up strokeという言葉があります。「朝になっておじいんさんが起きてこないから、見にいったら動けなくなっていた」心臓や脳の血管性の病気は寝ている間に起こることが多くあります。しかし習慣的に降圧剤は朝飲む処方とされています。これは、起きている時間の方が血圧高くなる為というのが理由かと考えますが、確たる科学的根拠はない処方です。では降圧薬を就寝時に内服したらどうなるか?これに対する研究論文があります。

Bedtime hypertension treatment improves cardiovascular risk reduction: the Hygia Chronotherapy Trial.

驚くべきことに、降圧薬を就寝時に内服した群は、起床時に内服した群と比べ、心血管死44%、心筋梗塞66%、冠動脈血行再建60%、心不全58%、脳卒中51%に低下したそうです。夜間の血圧を下げることで、心血管疾患の発症率が下がることが考察されています。もちろん、慎重な考察必要ですが、内服のタイミングをもう少し考えてもよいのかもしれません。

写真は逗子在住山内明徳様撮影

 

創部へのガーゼ処置について

褥創にガーゼを当てるということはよく行われていますが、あまりよくない処置です

褥創治療においては、褥創はなぜできるのか?傷が治るとはどういうことなのか?を考えなければなりません。

①褥創はなぜできるのか?
廃用が進んだりで寝たきり状態になり寝返りができなくなると、体の一部分(特に骨の出っ張った部分)に圧力(体圧)がかかり、皮膚に血液が流れなくなり、皮膚が壊死することでできます。

つまり、褥創の治療または予防には、この体圧を下げなければなりません。褥創にガーゼを当て、ガーゼを下にして座ったり寝たりして体重がかかると、ガーゼには厚みがあるため、褥創部の体圧が上がってしまい、褥創はいつまでたっても治りません。原因(体圧)の除去ができていないからです。

②傷が治るとはどういうことなのか?
傷は湿潤環境下で修復が進むことが明らかになっていますが、ガーゼは傷を乾燥させてしまいます。

褥創にガーゼを当てるというのは、褥創を見えなくしているだけ(臭いものに蓋をしているだけ)で、治療の効果はありません。効果がないどころか、褥創を乾燥させ、また体圧を上げている、つまり褥創を悪化させているとさえ言えるのです。

これを解決するのが、体圧管理や湿潤開放療法です。ガーゼは百害あって一利なしと言えるでしょう。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

写真は逗子在住山内明徳様撮影

 

在宅医療における風邪症状に対する漢方

風邪に対する漢方薬として有名なのは葛根湯です。

しかし、漢方薬は病名に対して使うのではなく、その人の体質や状況に合ったものを選ばないといけません。

葛根湯は「体力が中等度以上で、風邪の引き始めでゾクゾク寒気がして、汗をかいていない方」に使うと良いと言われています。

風邪で病院を受診した場合、すでに風邪を引いてから時間が経過しており、葛根湯を使うタイミングからズレていることが多いです。

在宅医療では、高齢者を中心に診ていますので、「体力が中等度以上」に高齢者は当てはまらないので、葛根湯を処方することは効力として、強すぎます。高齢者の風邪には麻黄附子細辛湯がよいでしょう。また葛根湯は、僧帽筋の筋緊張緩和に効果があるので、風邪ではなく肩こりに処方するのもお勧めです。自身若い頃は、強度の肩こりにて毎日服用していました在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

写真は逗子在住山内明徳様撮影