在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

心不全を科学する62

左室非同期性運動の治療は、両室ペーシングとなります。

心房細動の治療は、心拍数コントロールもしくはリズムコントロールとなります。

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#高齢者心不全

#高齢者の不整脈

#心房細動

#左室非同期性運動

#在宅診療

心不全の新しい治療

逗子、葉山、横須賀、鎌倉在宅医療

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認知症の中核症状と周辺症状の理解

それまで日常生活において特段問題なかった患者さんが入院により、認知機能障害が顕在化することがよくあります。認知症という言葉は、非常に一般的ですが、この病気は様々な特徴ある病態により病名が異なってきます。また症状においても中核症状と周辺症状と呼ばれる病状です。周辺症状は BPSDとも呼ばれます。BPSDは(Behavioral and psychological symptoms of dementia)の略であり、BPSDは中核症状+環境要因、身体要因、心理要因などの相互作用によって様々な精神症状や行動障害を生じます。因みに中核症状は脳の神経細胞の障害によって起こる認知機能障害であり、記憶障害 見当識障害 実行機能障害を指します。そして認知症においては近年、軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)と呼ばれる病態が着目されています。これは、認知症の前の段階であるとされ、 認知機能の低下がみられますが、現状では認知症とされるほどではなく、日常生活に困難をきたす程度でもありません。こうした病態に心当たりある高齢者は多いと思います。脳外科医として外来されている患者さんに画像評価行うと「最近物忘れ多くて、認知症の方はどうですか?」という質問をよく受けます。まさにMCIの病態と考えます。こうした患者さんが何かのきっかけで認知症の症状が発現することは、非常によくあることです。BPSDとは中核症状+環境要因、身体要因、心理要因に依り生じ、入院とはまさに環境要因、身体要因、心理要因が変化することですから。こうした症状出現した時にどうすればよいか?薬剤などで鎮静したり、抑制など行い転倒防止するのが医療現場の大半だと思います。自身は可能な限り退院とするようにしてます。もちろん、病状や環境により難しい場合もあります。ただ、こうした患者さんは自宅へ帰ると、ほぼ普通に戻ります。自宅に帰る際も『大変だったら、すぐ戻ってきてください』と言えば、患者さんの家族も安心して退院を受け入れられます。自身の経験で言えば、戻ってきた患者さんは一人もいません。なぜなら入院前は普通に自宅で生活できていたのですから。

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#在宅医療

#周辺症状は:BPSD

#軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)

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心不全を科学する61

不整脈により発症する心不全としてPVC mediated-cardiopathy(PVCに関連する心不全)があります。

これらの不整脈治療としてはBBもしくはアブレーションが適切となります。

#高齢者心不全

#高齢者の不整脈

#在宅診療

心不全の新しい治療

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高血糖リスクと高齢者の糖尿病治療

糖尿病は放置すると様々な病気を引き越します。透析へ移行する慢性腎不全の一番の原因は糖尿病性腎症です。また心筋梗塞脳梗塞などの血管障害の原因ともなる病気です。また高齢者では軽症の糖尿病においても感染などを契機に糖尿病性のケトアシドーシスが起こり、大変重症な病態となることがあります。但し、高齢者の糖尿病治療には注意が必要です。糖尿病における高血糖と治療における低血糖では、低血糖の方が非常に危険です。理由としては高血糖ではすぐさま生命に直結する病態には、移行しませんが低血糖の遷延は生命に直結するからです。例えば人体の中枢である脳はエネルギーとしてブドウ糖しか使えません。つまり、分かりやすく考えるなら低血糖は低酸素と同じ病態なのです。

日本糖尿病学会と日本老年医学会においても「高齢糖尿病患者の血糖コントロール目標」HbA1cの下限が設定されています。これは極めて画期的であり低血糖危険性を示すものです。

合併症予防のためのコントロール目標はHbA1c 7.0%未満ですが、合併症予防の効果が表れるのは10~15年後なので、余命が15年以内なら意味がなく、逆に厳密な血糖コントロール低血糖を起こし死亡リスクを上げてしまいます。

患者さんの背景にもよりますが、訪問診療を受けているような患者さんはHbA1c 7~9%くらいのコントロールでちょうどよいのではないかと考えています。7%以下にはしないのがポイントです。

そして薬剤は低血糖のリスクの少ない薬が選択されます。

①ビグアナイド薬
まず、第一選択となるのはメトホルミンです。メトホルミンは、血糖降下作用が高く、心血管イベントを減らし、体重を減らし、低血糖リスクが少なく、食欲抑制効果があり、安価で、癌発生抑制効果も期待されています。副作用としては乳酸アシドーシスが有名ですが、禁忌例(腎機能低下者、高齢者など)にさえ使わなければ、安全と言われています。eGFR30未満では禁忌、eGFR30~45では注意深く使う必要があります。高齢者は腎機能、肝機能の予備能が低下している方が多いので、75歳(あるいは80歳)以上では新規で処方しない方が良いと言われています。下痢の副作用もあります(15.3%)。

②SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬
第二選択となるのは、SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬と考えています。SGLT2阻害薬は、尿に糖を捨てる薬です。腎機能が低下している(eGFR45以下)と効果が発揮できません。尿量が増えるため、脱水→脳梗塞に注意が必要です。処方の場合は、もともとの利尿薬を減らすなども必要です。また、尿路感染症の増加にも注意が必要です。利尿効果によるものか心血管イベント予防効果や、さらに腎保護効果も報告されてきているので、エビデンスの集積が待たれます。
DPP-4阻害薬は胆汁排泄型(トラゼンタ、テネリア)の薬剤もあるので、腎機能が悪くても使えます。1日1回の内服薬もあり、副作用が少なく使いやすいですが、血糖を下げる以外の効果が期待できないことが欠点です。

③α-GI
炭水化物の摂取が多い方には、α-GIの追加が考えられます。この薬は糖の吸収を穏やかにし、食後高血糖を改善させる薬です。そのため、食「直前」投与なのが注意点です。服薬アドヒアランスが不良になるのが欠点ですが、これは全ての薬を食直前にまとめてしまえば解決します。

④GLP-1受容体作動薬 
皮下注射製剤です。トルリシティという週1回の製剤があるので、自己注射ができない患者さんに、週1回在宅医療で注射するという方法で使えると思います。DPP-4阻害薬と併用できないのが注意点です。

BOT(Basal supported Oral Therapy)
経口血糖降下薬でコントロールが不良な場合、経口血糖降下薬の内服を続けながら、持効型インスリン製剤(トレシーバ、ランタスXRなど)を1日1回自己注射してもらう方法です。低血糖のリスクが少なく、安全にインスリンを導入できます。

⑥使うべきでない薬
SU薬は低血糖を起こすリスクが高く使うべきではないと考えます。チアゾリジン薬(アクトス)は、インスリン抵抗性を改善させる薬剤ですが、副作用が多く(心不全、浮腫、骨粗鬆症)使うべきではないと考えます。

#在宅医療

#在宅医療における糖尿病治療

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心不全を科学する60

不整脈により発症する心不全として重要なものは、高頻拍性心不全である上室性頻拍症・心房細動とかんがえます。不整脈により心不全が生じているか否かは、正確には頻拍を元に戻すことによって心機能が回復するか否かです。そしてこの場合治療としてアブレーションがベストとされています。

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#高齢者心不全

#高齢者の不整脈

#高頻拍性心不全

#上室性頻拍症・心房細動

#在宅診療

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抗認知症薬の臨床現場の真実

科学的認知症診療 5Lessons | 小田 陽彦 |本 | 通販 | Amazon

認知症診療に関する記載として、非常に有用な本です。そしてこの筆者の最も言いたいところは、「一般臨床医は抗認知症薬を使わないのが基本」だと思います。この意見には、非常に同意します。病院勤務時に日本で使われている認知症が、ごく普通に一般内科などから処方されている場合があります。そして、「効果ありましたか?」と聞いて肯定的な返事を聞いたことがありません。そもそも認知症は様々な病型が混在しており、処方すべきでない患者さんも多数います。しかし、こうした患者さんを一括りにして認知症処方するのは非常に乱暴です。こうした処方は副作用も懸念され、抗認知症薬が日本で承認された際の非科学的な過程も考慮すべきです。

またこの本では具体的な数字が載っており(レビー小体型認知症に幻視が現れる確率は70%など)論文が明記されています。引用している論文はかなりの数です。私見ではなく、科学的根拠から結論を導いているので、説得力があります。他にも、抗コリン薬の問題、ベンゾジアゼピン受容体作動薬の問題、アルコールの問題、ポリファーマシーの問題なども取り上げられています。

同じ出版社からは、『高齢者診療で身体診察を強力な武器にするためのエビデンス』という素晴らしい本が出ていますが、本書の構成やコンセプトはそれに近く、タイトルを変えるのであれば、『認知症診療で強力な武器を持つためのエビデンス』になるでしょうか?

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#在宅医療

認知症は薬で治る?

認知症の治療薬

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心不全を科学する59

心不全×不整脈のナゼ?

不規則性
(心室性期外収縮:PVC)

左室非同期性運動
(完全左脚ブロック)

頻拍(上室性頻拍)

房室解離

心房細動

心不全患者さんに上記のような不整脈はつきものですが、これについて次項以降詳述していきます

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