在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

在宅医療における高齢者の脱水について

以前勤務していた病院の看護師さんのお母さんが痩せ薬として飲んでいたのが、利尿剤だったという笑えない話を聞いたことあります。ボクシングなどでも計量前にサウナで脱水となり計量に挑むのは有名な話です。高齢者医療においても脱水との闘いは大変です。…

認知症を科学する8

認知症診断の確定診断は病理診断にて行われます。通常、認知症診断に神経細胞の生検は行われない為、完全な確定診断は亡くなった後に病理解剖にて行う必要があります。 現在においては核医学検査などの進歩にて、相当程度まで診断は可能となりましたが診断精…

在宅医療における高齢者の食思不振について

いつの時代もダイエットは、流行っています。 僕自身学生時代はラグビー部所属していたので、ケガをしないよう筋トレで体重増やしていた時期と、研修医時代に体重が8-10kg落ちた時期を除き多少の増減はありますが、最近20年は±1.5kg以内の変動です。 しかし…

認知症を科学する7

高齢者の不眠治療に関しては非ベンゾジアゼピン系とされる薬剤は、せん妄の原因として非常に重要です 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com) #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #…

認知症を科学する6

高齢者のせん妄を診た場合、まず最初に確認すべきは内服に関してです。様々な薬剤がせん妄を引き起こします。代表的な薬剤を資料にあげました。風邪薬や抗精神病薬などの内服も有無はとりわけ注意が必要です。」 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (…

高齢者不眠に対する考察~高齢者の夜は長い

ご高齢の患者さんの悩みの一つに眠れないというのがあります。 高齢者の不眠は生理的変化の一つで、実際に寝ている時間は加齢とともに短くなり、高齢者では6時間以下と言われています。 高齢者は熟眠感を得られる徐波睡眠の時間が短くなり、また中途覚醒時間…

認知症を科学する5

高齢者とりわけ軽度認知症(MCI)とされている方において認知症が悪化したとして 相談受ける場合の多くは、せん妄と呼ばれる病態です。これは認知症いわゆるアルツハイマー病の増悪とは明らかに異なります。せん妄とアルツハイマー病の違いは、上記資料に示し…

在宅医療における褥瘡治療

在宅医療は医療的側面が下がり、ケアやサポートという比率が高医療です。 ただし、病状によっては医療的な側面が上がります。 上記の画像はリウマチ性血管炎にて膝上より下肢切断を診断された患者さんです。 北関東でお一人で住まわれていて、息子さんのいる…

認知症を科学する4

認知症に移行する前状態として軽度認知症(MCI)と呼ばれる病態が存在します。 このMCIに認知症薬を投与すると、どうなるか? 結果は副作用出現率が認知症薬>プラセボという結果でした。 つまり、MCIに対しては治療薬存在しないということが現実です。 またMC…

認知症の妙薬2

前回運動による認知症予防効果について触れたのですが、逆の研究結果がBMJ. 2017 Jun 22;357に掲載されています。 内容は認知症を発症した患者とそれ以外の参加者の間で、追跡期間中の1週間あたりの総運動時間、低強度の運動をした時間、中~高強度の運動を…

認知症を科学する3

認知症診断は、除外診断にて行われます。 認知症のような症状を呈する疾患をまず除外します。 そして、65歳以上の記憶力は病歴と心理検査が重要です。 重要なことは1年という単位でアルツハイマー病へ移行することは無いという認識です。 こうした急速な、…

認知症を科学する2

高齢化に伴い認知症患者が増えるのは、説明可能ですが 資料見て頂くと分かる通り、血管性・詳細不明の認知症は横ばいにも関わらずアルツハイマー病の患者数が激増してます。 特に1999年から激増しており、この年は世界初の認知症治療薬であるアリセプトの処…

認知症を科学する1

高齢化に伴い認知症患者が増えるのは、説明可能ですが 資料見て頂くと分かる通り、血管性・詳細不明の認知症は横ばいにも関わらずアルツハイマー病の患者数が激増してます。 特に1999年から激増しており、この年は世界初の認知症治療薬であるアリセプトの処…

在宅診療における胸水管理について

在宅診療において担癌患者さんには胸水貯留に伴う呼吸苦ある患者さんがいます。最近在宅診療において胸水の排液(間歇的、持続的いずれも)を行う患者さんが増え、常に当院でも胸水ドレナージ行う患者さんがいる為、少しまとめてみます 胸水貯留の患者さんにお…

褥瘡を科学する31

浸出液の多い褥瘡に関しては、資料のように処置することが重要です。 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com) #在宅医療医に必要な褥瘡治療に関する知識 #逗子、葉山、横須賀市、鎌倉市、横浜市の在宅医療

ヒートショック現象

日本家屋は非常に寒い。木造家屋が多いためお風呂やトイレなど肌が露出する場所での気温が非常に低い場合が多い。元野球監督であり評論家である野村克也さんがお風呂場で亡くなっているのが見つかったなども記憶に新しいところです。推定でヒートショックで…

褥瘡を科学する30

浸出液の多い褥瘡に関しては、資料のように処置することが重要です 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com) #在宅医療医に必要な褥瘡治療に関する知識 #逗子、葉山、横須賀市、鎌倉市、横浜市の在宅医療

安易な抗生剤の使用を止めるべき理由

日本人は無類の薬好きです。高齢者で薬を内服していない患者さんを診るのは年に数回くらいかもしれません。そして安易な投薬の危険に関してバイオアベイラビリティの観点から。バイオアベイラビリティとは、服用した薬剤が全身循環に到達した割合を示した値…

褥瘡を科学する29

滲出液が“多い” 場合に用いるドレッシング材 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com) #在宅医療医に必要な褥瘡治療に関する知識 #逗子、葉山、横須賀市、鎌倉市、横浜市の在宅医療

要支援や要介護1でも介護用ベッドを借りる方法

在宅医療をするには介護保険に精通しておかなければなりません。在宅医療の患者さんは基本的に外来に通うことが難しい患者さんです。なので、当然ベッドでの生活が多くなります。ここで、当然のようにベッドと書きましたが、畳の上に布団を敷いて寝起きする…

褥瘡を科学する28

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褥瘡を科学する27

浸出液コントロールの為には「なぜ、どんな性状の浸出液がでているのか」をしることが必要です。 浸出液が多い場合は壊死組織除去行い吸水性高く吸収した液体を戻さないドレッシング材を選択する。浸出液が少ない場合は、壊死組織に水分を供給し軟化させ自己…

さくら在宅クリニック流 在庫管理術

在宅診療において一つの問題が在庫管理及び発注作業と考えます。 誰かが補充必要性を気づいて発注という流れに不安を感じておりました。 在庫管理及び発注において必要なこと ・誰でも簡単発注 ・皆で物品の増減を共有 ・工程の簡単平準化 これをExcelとアマ…

褥瘡を科学する26

外用薬の保管方法と使用期限について。アクトシンはブクラデシンナトリウムが創傷治癒を促す 10度以下にて保存し 軟膏使用時のコツは使用30分前に常温にだしておく。 フィブラストスプレーはbFGFが創傷治癒を促進 10度以下にて保存 2週間以内に使用する 在宅…

高齢者が食べれなくなったら~在宅医療で最も重要なこと

老衰の末期や末期がんなどで食べられなくなった患者さんを自宅で診ている場合に食べれなくなったら何もしないという選択があります。但し、こうした選択が中々踏み切れない場合があります。やはり何もしないという選択は心情的に選択しにくいものです。そう…

褥瘡を科学する25

ポケットがあり浸出液が多い褥瘡に対して軟膏を使用する場合、ポケット内に軟膏が残存することによる感染に注意する必要があります。また、壊死組織を除去しながら滲出液の吸収力が高い薬剤として資料のような外用薬が挙げられます。 在宅医療 | さくら在宅…

患者様宅でのレントゲン撮影可能となりました

患者様宅でのレントゲン撮影可能となりました 患者様宅でのレントゲン撮影可能となりました。 これにより診断可能な疾患、経過診られ疾患が増えることにより、より安全に安心して患者様を診ることが可能となりました。 重さ約3kgの軽量な撮影装置ですが、極…

褥瘡を科学する24

外用薬として汎用されるゲーベンクリームの使用に関する注意点として ゲーベンクリームを壊死組織に塗布する際には、ガーゼに浸透されることも考慮して十分な量を使用する ポケットがあって浸出液が多い褥瘡に対して軟膏を使用するときは、ポケット内に軟膏…

高齢者の風邪

一般的に風邪にはPL顆粒(総合感冒薬)がよく処方されると思いますが、この薬は高齢者には特に危険です。PL顆粒1g(1回分)にはプロメタジンメチレンジサリチル酸塩という副作用が多いため今ではあまり使われなくなった第一世代の抗ヒスタミン薬が13.5mg入…

褥瘡を科学する23

外用薬の使用で注意することは 壊死や感染の兆候が残存している状態で、肉芽形成や上皮化を促す外用薬を使用することは避ける 浸出物が少ない状況で吸水性基剤の外用薬用いると、ますます創面の乾燥が進んで創傷治癒が阻害される 創周囲に発赤生じた場合は、…