在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

高齢者が首を寝違えた

高齢者が朝になって首の痛みや首が回らなくなったことを自覚し、「首を寝違えたようだ」と言って来院することがあります。 それは首の寝違えではなく、頚椎の偽痛風(Crowned dens syndrome)かもしれません。 今回は、頚椎の偽痛風を疑うポイントについて解…

アムロジンについての深いい話

降圧薬として非常に汎用されている、カルシウム拮抗薬であるアムロジピン(商品名:アムロジン、ノルバスク)は降圧薬としてよく処方されますが、意外な副作用があるので注意が必要です。このことを知らないと、薬の副作用を薬で抑えようとする、いわゆる「…

昨日の認知症勉強会

昨日の認知症勉強会ですが、逗葉地域、横須賀市、横浜市金沢区、鎌倉などの地域からケアマネジャー様、訪問看護ステーション様を中心に60名近い方からご視聴頂きました。通常、こうした地域研究会では20-30名程度の参加者ですが、この地域の在宅医療に関わる…

ベルソムラ錠からデエビゴ錠への変更について

昨今、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の問題(依存、認知機能低下、転倒リスク増など)が言われるようになってきており、それに代わる睡眠薬として、より副作用が少ないタイプの睡眠薬を処方しています。 そのなかの一つに、オレキシン受容体拮抗薬があります。覚…

敗血症は皮膚を診る

敗血症の定義は、「感染症で臓器障害が起きていること」です。 敗血症は早く対応しなければならず、そのためには、臓器障害が始まっている徴候を見抜かなければなりません。バイタルサインに加えて、身体所見としては、意識障害、尿量低下、皮膚の所見に注目…

褥瘡を科学する

,"entityRanges":,"data":{}}],"entityMap":{},"VERSION":"8.69.22"}">浸出液の多い褥瘡に関しては、資料のように処置することが重要です。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

排便性失神繰り替かえす高齢者について

最近の症例ですが、排便に伴い意識消失がある患者さんを施設入所中の患者さんにおいて経験しました。 排便の状況としては毎日少量ずつ出て、3~4日に1回大量に出る。便の性状は硬めで、摘便が必要なこともある。排便後に意識がもうろうとすることが月に1回く…

褥瘡を科学する

浸出液の多い褥瘡に関しては、資料のように処置することが重要です。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

高齢者の薬の量の調整について

高齢者は腎機能が低下している方が多く、腎臓で代謝される薬を内服した場合、薬の血中濃度が上がってしまうため、腎機能によって薬の量を調整する必要があります。腎機能が低下しているかどうかが分かるのは血清クレアチニン値ですが、クレアチニンは筋肉の…

エルデカルシトールによる高カルシウム血症について

エルデカルシトールに関して「エルデカルシトールによる高カルシウム血症と血液検査の遵守について」という文章が配布されました。 このような文章が配布される背景には、エルデカルシトールによる高カルシウム血症の症例が相当数あり、大きな問題になってい…

褥瘡を科学する

滲出液が“多い” 場合に用いるドレッシング材在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

めまいがハイドロリリースで改善?

私、某SNSでハイドロリリース研究会なるものを主催しておりメンバーは、もうすぐ1000人近くとなります。ただ、海外の文献などの共有をかなりしているので、非公開研究会としております。最近下記のようなハイドロリリースの応用がYou tube上にありました。 …

褥瘡を科学する

滲出液が“少ない” 場合に用いるドレッシング材 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

ヒルドイドは保湿剤なのか

,"data":{"dynamicStyles":{"line-height":"2.16"}}},{"key":"bsn8q","text":"また、美容目的に処方を希望する人が急増したことにより、必要な人に届かなくなるなど、社会問題にもなりました。そもそも、ヒルドイドソフトは保湿剤なのか?","type":"unstyled…

褥瘡を科学する

浸出液コントロールの為には「なぜ、どんな性状の浸出液がでているのか」をしることが必要です。 浸出液が多い場合は壊死組織除去行い吸水性高く吸収した液体を戻さないドレッシング材を選択する。浸出液が少ない場合は、壊死組織に水分を供給し軟化させ自己…

高齢者の便秘について

高齢者の便秘について浸透圧性下剤としては酸化マグネシウムを処方し、特に問題は感じていませんでしたが、昨今、高マグネシウム血症の問題が言われるようになってきています。 ※血清マグネシウム濃度と症状 血清Mg濃度(mg/dL) 症状 4.9~ 悪心・嘔吐、起…

褥瘡を科学する

,"data":{"textAlignment":"center"}},{"key":"mtdq","text":"10度以下にて保存し","type":"unstyled","depth":0,"inlineStyleRanges":,"entityRanges":,"data":{"textAlignment":"center"}},{"key":"4srgh","text":"軟膏使用時のコツは使用30分前に常温にだ…

レビー小体型認知症の自律神経症状

,"data":{"textAlignment":"left","dynamicStyles":{"line-height":"2.16"}}},{"key":"61ipu","text":"重要な順に、\n1. 自律神経不全型(迷走神経・交感神経節)\n2. せん妄型(脳幹網様体)\n3. パーキンソン型(中脳黒質)\n4. 精神病型(扁桃体~辺…

褥瘡を科学する

,"entityRanges":,"data":{"textAlignment":"left"}}],"entityMap":{},"VERSION":"8.69.22"}">ポケットがあり浸出液が多い褥瘡に対して軟膏を使用する場合、ポケット内に軟膏が残存することによる感染に注意する必要があります。また、壊死組織を除去しなが…

高齢者の栄養管理

高齢者の栄養管理は、とても重要です。食べてくれない、食欲ないという頻繁に起こります。こうした時に経管栄養剤を処方します。なかでも、イノラスは1ml当たりのカロリーが経腸栄養剤の中では最も高く、栄養状態を短期間で改善させたいときに処方しています…

褥瘡を科学する

外用薬として汎用されるゲーベンクリームの使用に関する注意点として ゲーベンクリームを壊死組織に塗布する際には、ガーゼに浸透されることも考慮して十分な量を使用する ポケットがあって浸出液が多い褥瘡に対して軟膏を使用するときは、ポケット内に軟膏…

2022.2.25認知症を科学してみようと思います

認知症の患者さんを診ていて痛切に感じるのは、誤った理解にて認知症に対する治療が行われている現実です。 これは、患者さん及び家族から「認知症を予防する薬をだしてほしい」「CTを撮って認知症か調べて欲しい」「認知症の注射が発売されると聞いたのです…

高齢者の転倒・骨折

超高齢化社会において、転倒・骨折などは非常に頭の痛い問題です。病院などでは、抑制同意書などを入院時に取得し夜間帯などはベッドから自身で動けなくなるようにします。実際の現場は、非人道的な印象を受けますが、他に方法が無いのが実情です。もし、転…

褥瘡を科学する

外用薬の使用で注意することは 壊死や感染の兆候が残存している状態で、肉芽形成や上皮化を促す外用薬を使用することは避ける 浸出物が少ない状況で吸水性基剤の外用薬用いると、ますます創面の乾燥が進んで創傷治癒が阻害される 創周囲に発赤生じた場合は、…

褥瘡に対する湿潤療法について

褥瘡に対してガーゼ保護する意味は無い!ということは度々触れてきました。自身も手術後の創部に対して、創部の治癒閉鎖を心配される症例に対してはカラヤヘシブという創傷被覆材を用いていました。但し、この被覆材は高価であり薬局などで購入できるもので…

褥瘡を科学する

深い褥瘡の治療方針と創面及び外用薬の選択は上記のように考えるべきです在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

高齢者の寝たきり原因の治療の弊害~カルシウム製剤の補充

高齢者を寝たきりにする原因として重要なものの一つに骨折があります。具体的には大腿骨頸部骨折(足の付け根の骨が折れる病気)、腰椎などの脊椎の圧迫骨折があります。こうした骨折、とりわけ大腿骨頸部骨折は、保存的治療という選択は難しく、手術する場合…

高齢者の認知症に関する漢方薬

認知症の行動・心理症状(BPSD)に対して、漢方薬の抑肝散が効くことが知られており、私自身もよく処方しています。 自身の抑肝散処方で忘れられない症例は、頚椎症性脊髄症の患者さんで、手術前日にせん妄状態になった患者さんです。誰もが知る某有名企業の…

降圧剤を飲む時間

Wake up strokeという言葉があります。「朝になっておじいんさんが起きてこないから、見にいったら動けなくなっていた」心臓や脳の血管性の病気は寝ている間に起こることが多くあります。しかし習慣的に降圧剤は朝飲む処方とされています。これは、起きてい…

褥瘡を科学する

,"data":{}}],"entityMap":{},"VERSION":"8.69.22"}">深い褥瘡・創傷の外用薬による治療戦略は上記に則るべきです ,"data":{}}],"entityMap":{},"VERSION":"8.69.22"}">在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)