在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

入浴中の突然死~浴室を暖かくしてヒートショックを防ぎましょう

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がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する18

,"data":{}},{"key":"21c5r","text":"たとえば・・・大腸がんステージⅢの補助化学療法において12-16%の患者の再発を妨げる一方で、80%以上の患者さんに不要となります。","type":"unstyled","depth":0,"inlineStyleRanges":[{"offset":0,"length":27,"style…

在宅医療における癌患者さんにおける様々な症状

,"entityRanges":,"data":{}},{"key":"51bco","text":"ツムラ桔梗湯エキスを含み飲みする。\n含み飲みとは、漢方薬をお湯に溶かして冷ましてから、口腔粘膜や舌になじませながら飲む飲み方です。飲めない方は、うがいをして吐き出しても良いです。口内炎に対…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する17

ここで、少しだけがん治療の歴史とりわけ抗がん剤の変遷について少しだけ述べさせて下さい まず抗がん剤は第二次世界大戦の毒ガス治療に始まります それは化学兵器ナイトロジェンマスタードガス➤粉末です 次にホルモン剤として 1938年の合成エストロゲン➤前…

認知症治療の功罪~アリセプトの誕生秘話

認知症治療薬として現在日本で使用可能な薬は4種類ありますが、その先駆けとなった薬は日本発の薬であるアリセプトです。アリセプトは杉本八郎博士が開発し、彼はこの薬の開発で、薬の世界のノーベル賞と言われる英国ガリアン賞・特別賞や恩賜発明賞などを受…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する16

,"entityRanges":,"data":{}},{"key":"cglob","text":"例えば診療情報などにCR、OS、PRなどの言葉は頻繁にでてきます。こうした言葉を理解していないと『先生、私はあとどれくらいですか?』『病気の状態は、どんな感じですか?』という問いに正確に答えるか…

高齢者の痛みの治療~PMR(リウマチ性多発筋痛症)

リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)は、急性発症の頸部、肩、臀部などの著しい痛みとこわばりを特徴とします。私自身、脳外科医としての勤務医時代には脊椎の手術と外来も行っていたのでこうした症状の患者を沢山診ておりました。本疾患は…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する15

がん治療においてガイドラインなどに準じた標準治療という選択肢があります。 ただし在宅医療の対象となる高齢者・併存疾患のある癌患者において強力な治療ができない場合があります。 こうした場合体力や併存疾患によって個別に治療を選択する必要がありま…

在宅患者おける癌患者さんにおける吐き気

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がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する14

前回までは緩和ケアに関するテーマでしたが、ここからがん治療に関する総論を述べていきます。まずがん治療を行うか否かの指標としてPerformance Statusという一般状態を示す指標があり、一般的にPSと略称されます。ここで重要なことはPS0-2までは化学…

人生の最期を決める時の重要なこと~食べることについて~その2

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がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する13

,"data":{}},{"key":"ftuuv","text":"管理の難しさでは疼痛管理<嘔気・嘔吐と個人的には考えています。","type":"unstyled","depth":0,"inlineStyleRanges":[{"offset":0,"length":31,"style":"BOLD"}],"entityRanges":,"data":{"textAlignment":"left"}},{"…

人生の最期を決める時の重要なこと~食べることについて~その1

高度成長期にスーパーという概念を日本に普及させたダイエーの創立者である中内功さんは、強烈な戦時体験をしています。南の島で補給が絶たれた戦況で銃弾でなく、飢餓や病に仲間が倒れていく中で、命を繋ぎとめた思いとして「日本に帰りすき焼きを食べたい…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 13

,"data":{}},{"key":"4nmcb","text":"死亡直前の終末期せん妄は90%の患者に生じ、家人・スタッフの強いストレスとなります。まず治療の決め手は抗精神病薬であるが、睡眠薬(BNZ)の併用が重用されます。","type":"unstyled","depth":0,"inlineStyleRanges":[{…

在宅患者さんにおける痛みの治療(内服が難しくなってきたら)

患者さんの活気がなくなり、経口も難しくなってきた場合痛みをとる治療の一つとして麻薬の貼り薬があります。フェントステープはフェンタニル(麻薬)の貼付薬であり、在宅医療の現場では非常に重宝します。特に癌患者さんで、内服できなくなったが痛みが出…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 12

癌疼痛のある患者にステロイド投与は推奨されるか?という問いに対して自身は禁忌ない限り全例で投与しております。 とりわけ悪液質に対して有効であり倦怠感、食欲不振などに著効します。 注意点としては、緩和領域にて用いられるステロイドは、浮腫の原因…

人の見た目は大事

人は見た目が〇〇割という、本が以前売れていたように記憶しています。調べれば、すぐ分かるのですが敢えて調べません。見た目で騙されないように、常々思っていたりもするので。そして見た目が老けていると実際の寿命も短いようです。これは、経験則からも…

中国から医療ツーリズムの患者さんが受診してくれました

昨日中国から10年以上前に書いた私のしょうもない論文を読んで受診してくれました。 とても嬉しい気持ちになりました。 すっかりアカデミアの世界から離れた日々ですが、少しでも新たな知見あれば論文という形でアウトプットしていこうと気を引き締めました…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 11

癌疼痛のある患者に対してオピオイドにおける鎮痛補助薬のポイントとして下図のような治療薬があります。 私見ですが プレガバリンは膵癌の腹腔神経叢浸潤、脊髄神経-末梢神経圧迫に鎮痛補助薬は有効と考えています。そして副次作用としての眠気はミロガバリ…

在宅医療における薬の飲みすぎに関する問題

薬の飲みすぎをポリファーマシーと呼びます。カタカナの方が何か学術的な印象もあるので、ポリファーマシーとします。私自身、勤務医時代におけるポリファーマシーの原因は、処方する側7割、処方される側3割と考えてました。 「先生、歩くと少しフラフラす…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 10

癌疼痛のある患者に対してオピオイド使用+αとして 抗うつ薬、抗痙攣薬、抗不整脈薬、ケタミンは推奨されるかという問いに対して オピオイドを増量しても十分な鎮痛効果が得られない or 有害作用により増量出来ない場合は➤弱い推奨となります。 具体的には自…

慢性閉塞性肺疾患 (COPD)患者さんの意識障害

慢性閉塞性肺疾患 (以下COPD)の患者さんが意識障害を生じている場合は、かなり緊急度の高い病態です。ただし、こうした患者さんは恒常的に血中二酸化炭素(CO2)の濃度高く酸素投与に注意が必要とされています。その理由は正常の人は血中CO2濃度の上昇によって…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 9

呼吸困難の時の緩和ケアをUp Dateしましょう。 抗不安薬・オピオイド・ステロイドの3点セット!(内服困難時はミダゾラム注も) ただし、在宅にてミダゾラムの使用は、まだまだ難しいのが現状です(どこから調達しで、だれが管理するかという問題において)。 ①…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 8

高度腎機能障害のある患者において、どのオピオイドを使用すればよいか? 在宅医療において高齢者が対象となる場合が多く、腎機能不全の患者さんにオピオイドを使用しなければならない時があります。 ➤こうした場合、高度腎機能障害のある患者(eGFR30未満)の…

高齢者の誤嚥性肺炎の診断スコア

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がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 7

フェンタニル口腔粘膜吸収製剤(ROO:Rapid Onset Opioid)について詳しく説明します。 ROOにはアブストラル舌下錠,イーフェンバッカル錠は下図の様に内服します。末期がんにおいて内服困難となった状況でも使用可能な薬剤となります。 ①原則経口モルヒネ換算の…

多愁訴に半夏厚朴湯が著効した症例

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)はいわゆる「ヒステリー球」という、喉に何かが詰まったような違和感に効くとされている漢方薬です。 当院の患者さんで、半夏厚朴湯がよく効いた患者さんがいたので報告します。 症例:90代女性 診察の度に、「喉が詰まる」…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 6

がん患者さんの疼痛管理には定時で服用するオピオイドが必要とされ、これをベース(基礎的)の内服とされます。 こうしたベースの内服においても、がん突出痛と呼ばれる痛みに対する投薬も必要となってきます。 がん突出痛のある患者に対して、どのオピオイド…

ヒルドイドは乾燥剤として作用する

ヒルドイド(ヒルドイドソフト軟膏やヒルドイドソフトクリーム)が皮膚に対し乾燥剤として作用していることがよく分かる症例を提示したいと思います。 90代男性。両足関節前面に非常に強い乾燥があり、痒みもあった患者さんです。皮脂欠乏性湿疹の診断で、ヒ…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 5

1.本邦で使用可能なオピオイド一覧は下記になります。オピオイド設定時のポイントは、 ①徐放性製剤、速放性製剤の両方を設定する ②なるべく少量から開始し眠気、吐き気を防ぐ。2~3日で耐性が形成 #さくら在宅クリニック #がん緩和ケア #本邦で使用可能な…