在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

心不全を科学する

心不全を予防するために行うべきこととして、糖尿病の管理が重要です。 その理由として 直接要因(炎症・酸化ストレス)は 心肥大、微小血管障害であり 間接要因は 虚血性心疾患、腎機能障害です。 心不全×糖尿病の治療薬として重要なのはSGLT2阻害薬? DPP4阻…

創部へのガーゼ処置について

褥創にガーゼを当てるということはよく行われていますが、あまりよくない処置です 褥創治療においては、褥創はなぜできるのか?傷が治るとはどういうことなのか?を考えなければなりません。 ①褥創はなぜできるのか?廃用が進んだりで寝たきり状態になり寝返…

心不全を科学する

HFpEFの降圧目標は、どのように設定すべきでしょうか。 下記に示すように降圧剤の使用に関しては慎重になった方がよい?データもあります。 HFpEFは血圧を下げ過ぎてもよくないかもしれません。 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku…

 在宅医療における風邪症状に対する漢方

風邪に対する漢方薬として有名なのは葛根湯です。 しかし、漢方薬は病名に対して使うのではなく、その人の体質や状況に合ったものを選ばないといけません。 葛根湯は「体力が中等度以上で、風邪の引き始めでゾクゾク寒気がして、汗をかいていない方」に使う…

心不全を科学する

HFpEF治療においてMRAは重要ですが、そのRCTであるTOPCATのサブ解析は?結果として良い結果はだせませんでした。しかし、サブ解析をみると北米の結果は良く、東欧・ロシアが結果の足を引っ張っているの明らかです(そもそも飲んでいないというかもという疑い…

褥瘡の感染

褥創が感染しているかどうかは、褥創周囲に感染の4徴候(熱感、発赤、腫脹、疼痛)があるかどうかで判断します。 感染していた場合、大原則として、褥創内に消毒薬(イソジンシュガー、カデックス軟膏、ユーパスタなど)を入れてはいけません! その理由は…

心不全を科学する

ARNI(エンレスト)のエビデンスとして、PARADIGM-HF試験にて サクビトリル/バルサルタンは心血管死+心不全入院を有意に抑制を証明しました 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)さくら在宅クリニックは逗子、葉山、横須賀、鎌倉…

心不全を科学する

極論でまとめるARNIの効果の効果は、 早期からの効果+長期予後改善効果=心不全の新薬!となります。 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)さくら在宅クリニックは逗子、葉山、横須賀、鎌倉の皆さんの健康と安心に寄与して参りま…

認知症とパーキンソン病の関係性

認知症患者さんには、一定程度パーキンソン病に類似した症状見ることが多々ありました。とりわけ、これは外勤(医師は常勤先以外にも外勤として他院でパートタイムで働くことがあります)。この外勤先は、整形外科がメインの地域で信頼されている病院ですが、…

在宅診療における高齢者の下痢について

下痢症状を認めた場合の生活指導として、水分を積極的に摂ることを指示します。水分を摂るとますます下痢をすると考え、水分摂取を控える方がいます。しかし、下痢によって体から水分が失われますから、むしろいつもより水分は多く摂らなければなりません。…

心不全を科学する

ARNI(エンレスト)とは、サクビトリルであり サクビトリルとはネプリライシン阻害薬のことです。 サクビトリルは、ANP,BNP,アンギオテンシンⅡ,ブラジキニンなどの様々な血管作動性ペプチドを分解する酵素です。 つまり、この心保護作用のある物資の分解阻害に…

レビー小体型認知症におけるパーキソニズム

パーキンソン症状は、筋肉に力が入りその力が思うように抜けない固縮と、勝手に動いてしまう振戦が代表です。固縮とは簡単に言えば身体が固まったような状態を示す言葉であり、振戦とは震えているような症状です。そしてレビー小体型認知症においては固縮が…

心不全を科学する

ARNI(エンレスト)の機能は、ざっくり説明すると心保護効果のある物質の分解を阻害することです。また、これに+αの効果あることを次回以降説明してまいります。 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)さくら在宅クリニックは逗子、…

認知症とパーキンソン病(症候群)関係

医者になって最初の年に神経内科の先生が脳外科をローテーションしており、その際に色々と教えて頂くこと多かったのですが、その時に印象的な質問されました。 「パーキンソン病って認知機能障害ある?」その際に「あると思います」と答え褒められてことを記…

心不全を科学する

慢性心不全治療は新しいパラダイムへ入り、ESCガイドラインも変更されました。子の中で特に注目したいのがARNIです。ARNIがファーストラインに入ったがARNIとは?次回よりARNIに関して少し述べていきます。 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shoun…

褥瘡は、この世から無くなるのか?

褥瘡は、ただの皮膚の傷ではありません。哺乳類が陸上に上がれたのは皮膚のおかげであり、母なる海を体内に止めおく重要なバリアーの破綻が褥瘡です。当然、このバリアーの破綻は感染の原因となります。そして体圧管理、湿潤療法など行っても残念ながら褥瘡…

心不全を科学する

DAPA-HFはsglt2阻害薬におけるHFPeP(心不全)への科学的根拠を示した研究です。 ここで、一つ気を付けるべきは、重症心不全=NYHAⅣレベルでは明確なエビデンスはないという点です。つまり、あまり悪くなると治療は難しいといことです。 在宅医療 | さくら在宅…

褥瘡に対する体圧管理について

褥瘡は、そもそも論で体位変換できない状態の部位に持続的に圧力がかかることにより生じます。なので、褥瘡治療に対し、湿潤療法を熱心行ったとしても、かかる圧力を減じなければ根本的にはいつまで経っても褥瘡はよくなりません。褥瘡予防のために頻回に体…

心不全を科学する

EFの保たれた心不全 HFPeEFに対するエビデンスとしては SGLT2阻害薬エンパグリフロジンは有効というのが現在の到達点です 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)さくら在宅クリニックは逗子、葉山、横須賀、鎌倉の皆さんの健康と…

褥瘡に対する湿潤療法について

病院勤務時代の術後の患者さんで、創部治癒遅延が予想される患者さんに対してはカラヤヘシブという被覆材を用いていました。とても有用な被覆材ですが高価であり、通常の薬局などで購入することができず褥瘡治療に援用することができません。褥瘡に対しては…

心不全を科学する

高齢者の心不全(HFpEF)に対する治療法は、運動、体重管理、血圧管理、sglt2による管理が重要です。 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)さくら在宅クリニックは逗子、葉山、横須賀、鎌倉の皆さんの健康と安心に寄与して参ります…

褥瘡管理について~体圧管理と湿潤環境保持ついて

褥瘡治療とは、軟膏の種類を変えてみたり、創傷被覆材を変えてみたりすることではありません。 褥瘡を治すには、「なぜ褥瘡ができるのか」、「傷(キズ)が治るということはどういうことなのか」といった、理論的な背景を知っておく必要があります。 まず、…

心不全を科学する

HFpEFにおいてはBNPは過少評価されがちです。 HFpEFにおいてBNP低値でも予後不良の原因は下図のように示されています。 在宅診療で心不全を簡便に評価する方法は?心エコー?心電図? いずれにしても理学所見としての経静脈怒張の評価が有用と私は考えます。…

入院すると認知症が悪くなる?

それまで日常生活において特段問題なかった患者さんが入院により、認知機能障害が顕在化することがよくあります。認知症という言葉は、非常に一般的ですが、この病気は様々な特徴ある病態により病名が異なってきます。また症状においても中核症状と周辺症状…

心不全を科学する

HFpEFはどうやって診断するの?という問いに H2FPEF scoreというスコアによる診断が提唱されています。この研究では体重、高血圧など簡易な項目から肺動脈楔入圧という侵襲的評価項目の挙げられいます。そしてこの研究ではBNPは評価項目として入ることがで…

最後の場所を決める人は?

2014年厚労省にてACP(Advance Care Planning)という言葉が提唱されました。人生会議という言葉でも代替され、人生の最期をどこで過ごすか?ということを事前に話合いましょう、という取り組みです。この取り組みの中で、人生の最期を家でという希望が6割以上…

心不全を科学する

心不全評価におけるBNPについて、肥満HFpEFではBNPが正常の場合があることが注意すべき点です。 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)さくら在宅クリニックは逗子、葉山、横須賀、鎌倉の皆さんの健康と安心に寄与して参ります。

在宅医療における糖尿病治療の問題点

糖尿病は放置すると様々な病気を引き越します。透析へ移行する慢性腎不全の一番の原因は糖尿病性腎症です。また心筋梗塞や脳梗塞などの血管障害の原因ともなる病気です。また高齢者では軽症の糖尿病においても感染などを契機に糖尿病性のケトアシドーシスが…

心不全を科学する

BNPと心腔内圧の関係性、心不全による入院と死亡退院の相関を下図が示しています。これによりHFpEFにおいてはBNPは有用であることが分かります。 You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より https://www.youtube.com/channel/UCMkHB9UwsqYXdxEAij…

一般臨床医が認知症治療薬をどの様に使うべきか

科学的認知症診療 5Lessons | 小田 陽彦 |本 | 通販 | Amazon 認知症診療に関する記載として、非常に有用な本です。そしてこの筆者の最も言いたいところは、「一般臨床医は抗認知症薬を使わないのが基本」だと思います。この意見には、非常に同意します。病…