在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2019-01-01から1年間の記事一覧

今年も終わりますが、来年はもっと頑張ります!

12.28撮影した鎌倉山稜線にかかる月 今年も残りわずかですが、個人的にはやり残しや積み残し満載の最終日です。 締め切り近いスライドを今日も作成しております。そして投稿中の論文のキックバックに対し修正投稿しながら、新しい論文にも取り掛かりながら、…

脳卒中後のけいれん

脳卒中後のけいれん 少し先の話ですが、けいれん×血管内治療という講演依頼があり、改めて抗痙攣剤のトピックス含め勉強し直してます。 自身、東京警察病院というてんかんの外科発症の地で勤務していたのですが、脳波読影は本当に苦手です。 日本で初めてて…

「認知症」「寝たきり」を予防するための脳卒中予防の20のポイント

https://brainkenichi.com/info/脳卒中-2/ 現在の施設に勤務してから、時々脳卒中の市民公開講座など呼ばれることがあります。老化とは、年をとるにつれ誰もが考える事柄です。中々公表にてHP上にスライドを見れる形式にしました。 ヘミングウェイは、自らの…

未破裂脳動脈瘤の破裂を予測出来るか?

PHASE SCORE1 PHASES score2 突然ですが、株価は予測出来るか?という命題に対し、これを予測に応用したブラック–ショールズ方程式の提唱者はノーベル経済学賞受賞しました。彼らノーベル賞受賞者を擁したベスト ブライト メンバーの投資会社は数年で破綻。…

EMBOTRAPⅡ 以前は、海外で使用できる新しい治療が日本で使うことができるまで、かなりの時間がかかりました。 これを常々デバイス ラグ(道具の格差とでも訳すのでしょうか)などど、学会で言われてました。 例えずtPA(血栓を溶かう脳梗塞の薬)を日本で使用で…

同級生と手術

新城先生 降臨 大学同級生であり、整形外科医として脊椎外科をバリバリこなしている新城と一緒に手術させて頂きました。聞けば年間250件の手術をこなしているとのこと。以前他施設で手術された症例であり、やりづらいかと思ってましたが驚く速さで手術終えて…

イノフィス社とのコラボ研究 高校同級生が代表取締であるイノフィス社とのコラボ研究当院のリハ科は、少し前のめり気味のやる気に満ちております 臨床研究したいので、少しお時間頂けますか?との、お誘いからのブレストから生まれたアイデア 恐らく、まだ脳…

研究会での発表

9/26船橋市医師会後援での研究会で講演させて頂きました。 お題は、塞栓性脳梗塞に関する予防の話がメインでした。 正直、日々手術のことが頭の中で駆け巡っているのですが、DOACやESUSに関して改めて勉強し直し深堀りさせて頂きました。

当科のHPを公開しました

https://brainkenichi.com/recruit-2/ 当科のHPが8割くらい完成したので、ひとまず公開しました。 もっと尖ったHPも模索しましたが、ひとまずこの形で。 HPの目的の一つとして脳外科医として現在の環境に不満を感じてる方が沢山いるかと思っております。 な…

海外から患者さんが来てくれました

かなり以前に書いたレアなケースレポートその時調べた限りでは報告例は11例のみで僕の報告が12例目でした なんとその論文を読んで自分も同じ病気だからと中国から患者さんが来てくれました 調子乗って記念写真まぁ、撮りますよね(笑) 中国から患者さんが来て…

当院血栓回収療法1例目 Good Job!

詫磨先生 降臨 6月より新任地での治療が始まり、血栓回収療法も行いました。 この治療は我々脳外科医が特に熱い思いで行っている治療であり、今回の患者さんは 深昏睡の病態から治療直後より意識レベルは回復し、術翌日の時点で麻痺もほぼ無い状態です。恐ら…

今年4本目アクセプトされました!

JSNETアクセプト 今年4本目アクセプトされました。何が嬉しいかというと、とてもとても苦手意識強い疾患に関して今年2本論文が通ったことです。熱意があれば、何とかなるものと実感してます。

今回はリハビリに関して書かせて頂きました

【専門医インタビュー】脳卒中最前線(4) 脳卒中後のリハビリ・生活 - 医療総合QLife 今回はリハビリに関して書かせて頂きました。 脳卒中とリハビリは切り離せないのですが、まだまだ自身勉強不足にてこの分野も勉強していきます1

今年3本目の論文

血管内治療におけるレスキュー症例 今年3本目の論文が掲載され送られてきました。 本稿は、緊急での血管内治療時アクセスルートに関するトラブルに関して書かせて頂きました。 急性期再開通療法は、時間との勝負にて事前情報無しで治療が始まります。 もちろ…

脳卒中に関して書かせて頂きました。

www.qlife.jp 脳卒中に関して書かせて頂きました。 まだまだ、発展途上の身ですが身の丈に合った内容を書いたつもりです。 特に最近のトピックスとしてtPAの投与基準の変更は、脳梗塞治療を前進させると考えててます。 しかし、生活習慣病として位置づけらけ…

脳卒中の予防には血圧管理が重要!

高血圧の薬 血圧を下げる薬には、以下のような種類があります。 沢山あり分かりにくいですね。 1)カルシウム拮抗薬 2)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬 またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB) 3)利尿薬 4)交感神経β受容体遮断薬(β遮断…

脳卒中に関して書かせて頂きました

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難しい動脈瘤の治療

www.youtube.com 昨日は40台男性のクモ膜下出血(以下SAHと略させて頂きます)の患者さんが搬送されてきました。 SAHの多くは動脈瘤という血管のコブが破裂して起こるのですが、それ以外でも血管に裂け目が生じて起こる場合があります。これを解離性動脈瘤と呼…

脳卒中治療ガイドライン 上記は脳卒中治療ガイドラインの抜粋です 高血圧は身体によくない 出来れば、体重管理、減塩指導などで血圧は管理したいものです しかし、血圧が120/80未満の人に比べて、140-150または90-99の人は脳卒中を3倍以上起こしやすいことが…

今年2本目の論文

koto 硬膜動静脈瘻に関する研究論文 今年2本目の研究論文が無事アクセプトされました。 日々の臨床の中で「あれっ?」と感じたことが、僕の論文投稿のきっかけなのですが、本稿は頸部痛が消失した硬膜動静脈瘻に関して書かせて頂きました。硬膜動静脈瘻とは…

脳卒中をどうやって防ぐか?

脳卒中と高血圧の関係は上のグラフ見ると大変分かり易いですね。 数多くある脳卒中危険因子の中でも最も重要とされるのが高血圧の管理です。グラフを見ると分かるように血圧が140/90を超えると脳卒中になるリスクが増加します。 特に上の血圧(収縮期血圧)…

脳卒中記事の連載

www.qlife.jp脳卒中に関する連載を書かせて頂きました。 このブログの趣旨も少しでも脳卒中に関して分かり易く、皆さんの知りたいことを丁寧にと考えてます。 しかし、編集の方のダメだしをから、自分の日本語の力の無さを実感しました。 これからも独りよが…

日々の鍛錬

日々の鍛錬 右側の画像はガーゼをIphoneで撮影した画像です。 正直何だか分からないですね。 左は、このガーゼを卓上顕微鏡で見た画像です。 脳外科の手術は、細かい作業が多く脳外科医になった頃は 果たしてこんな作業が自分で出来るのか?と不安になりまし…

脳梗塞の話(ラクナ梗塞って何でしょう?)

ラクナ梗塞 脳梗塞急性期における脳外科医の関心事は「どうやったらつまった血管を通せるか?」ということです。なぜなら、脳梗塞が完成する前に治療することで脳梗塞のサイズを小さくできるからです。そして、慢性期の課題は「どうやったら再発を防げるか?…

昨日のHybrid研究会にて

昨日は朝から自宅近くの桜山公園で家族とお花見して、お昼ご飯。 昼からビール飲んでる人達を羨ましく思いながら、Hybrid研究会へ。 脳外科の世界でHybridとは開頭手術+血管内治療の双方を行う外科医を指します。 及ばずながら、正に僕の目指す方向性の1丁…

No recanalization,No walk =再開通させなければ、歩いて患者さんを帰せない!

塞栓性脳梗塞に対する血栓回収療法 tPAでは太刀打ちできない、大きな血管が詰まった場合どうすればよいか? 米国心臓協会・米国脳卒中協会は、6つの臨床試験の結果を基に、「tPA投与後も脳の太い動脈に血栓が残存している場合に血栓除去デバイスによる血管内…

脳梗塞の血栓を溶かす薬

tPA作用機序 脳梗塞になった患者さんの家族へ説明する際に、血栓を溶かす薬は使いましたか? こうした質問をよく受けます。 因みに、上の図は血栓を溶かす薬の機序です。 血栓を溶かす薬はtPAという名称です。 脳梗塞急性期に行うtPA静注療法は2005年から日…

ネックの広い動脈瘤塞栓術

ブロードネックの動脈瘤塞栓術 動脈瘤塞栓術において問題の一つはネックの広さです。 ネックが広い場合には、そのままコイルを入れると正常な血管にコイルがはみ出てしまいます。正常な血管にコイルが出てこないようバルーンカテーテルという風船付きの管を…

静岡から患者さんが来てくれました!

先週の外来での出来事 2012.12.31いわゆる大晦日に緊急で手術した患者さん両側瞳孔散大し、正直社会復帰は難しいと思ってましたその後に外来に歩いて受診された時は、心底驚き「やったー!」という気持ちでした 写真の通り、振り返るくらいのイケメン男子! …

急性期再開通療法に新しい武器登場

塞栓性脳梗塞に対する、血管内治療はこの10年で劇的に変化しました。 思い返せば、ウロキナーゼ動注療法からメルシリトリーバーに始まり、いまではステント型3種類、吸引型1種類が使用できます。 今月から、さらに新しいデバイスが登場するそうです。 吸引型…