在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

認知症を科学する

先進国では、認知症は減少し始めていますが、日本だけ増え続け、人口も減り続けています。 #認知症とは #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #逗子、葉山、横須賀、鎌倉在宅医療 在宅医…

高齢者が夜間不穏になった場合

認知機能が低下した高齢者が入院すると、かなりの確率で不穏となります。そうした場合、安全の為抑制し薬にて鎮静します。こうした処置にて徐々に身体が弱っていき肺炎などを併発して寝たきりに移行する患者さんを沢山診てきました。在宅医療では、可能な限…

認知症を科学する

,"entityRanges":,"data":{}},{"key":"6s6gm","text":"ということから説明する場合が度々あります。","type":"unstyled","depth":0,"inlineStyleRanges":,"entityRanges":,"data":{}},{"key":"bmktb","text":"ここから、少し認知症をよりかみ砕きながら解説…

在宅診療における胸水管理

,"entityRanges":,"data":{}},{"key":"2eah7","text":"胸水貯留の患者さんにおいて医療的に在宅で行えるのは","type":"unstyled","depth":0,"inlineStyleRanges":,"entityRanges":,"data":{}},{"key":"a8p9c","text":"① 利尿剤などにて胸水をひく","type":"u…

認知症を科学する

下記資料が示す重要なことは生活習慣病と関係ないと思われる アルツハイマー病が生活習慣の改善により 進行が止められる可能性があるということです #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症周辺症状に対する治療 #認知症治療の真実 #…

嚥下内視鏡による誤嚥しているかどうかの評価(高齢者の誤嚥性肺炎を防ぐために

在宅医療における患者様の大きな課題の一つに『食べる』という課題があります 高齢者、担癌患者様、難病患者様の『食べる』ことの問題点は 食べることができない(嚥下=飲み込む機能の低下) 食べたくない(癌や老年期うつなどの様々な病気の影響で食べるという…

認知症を科学する

認知症を防ぐには、生活習慣病予防とリンクするようです。 #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症周辺症状に対する治療 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #逗子、葉山、横須賀、鎌倉在宅医療 在宅医療 | さくら在宅…

高齢者の腰痛に関する注意点

加齢に伴い腰痛は、かなりの頻度で生じます。腰痛に関する話を始めると終わりなき世界となるため、ここでは脊椎圧迫骨折についてお話しさせて下さい。 脊椎圧迫骨折は高齢者によくおこる骨折の一つです。診断に関しては、病歴が重要です。 ①受傷機転脊椎圧迫…

認知症を科学する

アルツハイマー病の病態は 神経細胞周囲にアミロイド沈着にて老人班形成、神経細胞内部にリン酸化タウ沈着です。しかし、生活習慣病と相関性あることは驚きです。 #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症周辺症状に対する治療 #認知症…

ポリファーマシーの功罪~年をとると色々痛くなるので痛み止めが必要な時

年をとると色々な箇所が痛くなります。腰痛などは、大なり小なりあると考えます。こうした際に痛み止めをどうするか。NSAIDsと呼ばれる痛み止めには胃潰瘍などを生じさせるリスクあり胃薬が必要です。痛み止めのロキソニンは切れ味は良いですが、その分副作…

認知症を科学する

高齢者の認知機能の低下を疑う際に最初すべきことは、薬を疑うことだと私は考えます。 資料にあるように抗うつ薬、抗ヒスタミン剤、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗精神病薬の投薬の有無を必ず確認する必要があると私は考えます。 #在宅医療 #高齢者認知症治療…

ポリファーマシーの功罪~薬は少なければ少ないほど良い

ガスター等のH2ブロッカーを長期間使用することで、高齢者の認知機能が低下するリスクが報告されています。これは中枢神経にもH2受容体存在することが、その理由です。ただし、こうした薬剤は脳内への移行はしにくいのですが、腎機能障害などにより排泄が遅…

認知症を科学する

認知症は本当に予防できるのか?これこそ、本題と考えます。これから、これを少し深堀りさせて頂きます。 #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症周辺症状に対する治療 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #逗子、葉山…

ダイエットより大切なこと~高齢者医療は脱水との戦いです

以前勤務していた病院の看護師さんのお母さんが痩せ薬として飲んでいたのが、利尿剤だったという笑えない話を聞いたことあります。ボクシングなどでも計量前にサウナで脱水となり計量に挑むのは有名な話です。高齢者医療においても脱水との闘いは大変です。…

認知症を科学する

,"entityRanges":,"data":{}},{"key":"bo3k8","text":"#在宅医療","type":"unstyled","depth":0,"inlineStyleRanges":,"entityRanges":[{"offset":0,"length":5,"key":0}],"data":{}},{"key":"54uiu","text":"#高齢者認知症治療 ","type":"unstyled","dept…

ダイエットより大切なこと~高齢者医療は食べれないことに対する戦いです

いつの時代もダイエットは、流行っています。 僕自身学生時代はラグビー部所属していたので、ケガをしないよう筋トレで体重増やしていた時期と、研修医時代に体重が8-10kg落ちた時期を除き多少の増減はありますが、最近20年は±1.5kg以内の変動です。 しかし…

認知症を科学する

認知症には中核症状と呼ばれる症状の主とな症状と周辺症状と呼ばれるBPSDよ呼ばれる症状が存在します。 認知症治療薬がターゲットとするのは中核症状ですが、BPSDに対して抗認知症薬が効くか否かについては、様々な研究が行われましたが科学的には残念ながら…

高齢者の夜は長い

ご高齢の患者さんの悩みの一つに眠れないというのがあります。高齢者の不眠は生理的変化の一つで、実際に寝ている時間は加齢とともに短くなり、高齢者では6時間以下と言われています。高齢者は熟眠感を得られる徐波睡眠の時間が短くなり、また中途覚醒時間が…

認知症を科学する

認知症の周辺症状において①薬剤②身体合併症③家族が大部分を占めることは、とても重要なことです。そして、ドネペジルの適応外使用にて陽性症状の出現により身体的暴行として殺人が2例あることは必ず頭におくべきと考えます。 #在宅医療 #高齢者認知症治療…

認知症予防の妙薬その2

前回運動による認知症予防効果について触れたのですが、逆の研究結果がBMJ. 2017 Jun 22;357に掲載されています。 内容は認知症を発症した患者とそれ以外の参加者の間で、追跡期間中の1週間あたりの総運動時間、低強度の運動をした時間、中~高強度の運動を…

認知症を科学する

しかし、認知症に伴う精神症状に対しどう対応するかで、自宅で診つづけることができるか否か決まります。そして幻覚妄想、気分の落ち込みなどは①お酒②薬③身体疾患④ストレス⑤精神疾患などに原因が見つけられないか、まずは検討する必要があります。これにより…

認知症予防の妙薬その1

アルツハイマー型認知症治療薬「アデュヘルム」のニュースが駆け巡りましたが、治療効果、治療適応、費用などまだまだ夢の薬でないというのが実感です。自身、年齢と認知機能のギャップのある方には、個人的によく3つの質問を20年近くしています。それは職…

認知症を科学する

認知症治療薬に対する効果判定に関してRCT(ランダム化比較試験という仮説立証検定で最も信頼できる試験と考えて下さい)10本をまとめて検証した結果は、認知症治療薬ADAS-cogという点数を2.37改善するのみという結果でした。臨床的に意味ある改善は4点とさ…

ヒートショック現象

日本家屋は非常に寒い。木造家屋が多いためお風呂やトイレなど肌が露出する場所での気温が非常に低い場合が多い。元野球監督であり評論家である野村克也さんがお風呂場で亡くなっているのが見つかったなども記憶に新しいところです。推定でヒートショックで…

認知症を科学する

レビー小体型認知症にドネペジルの効果は科学的には証明されていません。 但し、他治療の無い現状において上記のアルゴリズムで治療するのが適切と私は考えます。 #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #レビー小体型認知症 #認知症治療の真…

2023.3.3 エーザイ協賛 脳外科のセミナーについて

エーザイ協賛講演会についてのご報告 2023.3.3横浜市栄区における横浜栄共済病院を中心とした脳外科のセミナーに呼ばれることになり講演行ってまいりました。 演題名は 高齢化・多疾患羅患時代におけるLess is More 戦略 急性期再開通療法のこれから The nex…

介護用ベッドを借りる方法

在宅医療をするには介護保険に精通しておかなければなりません。在宅医療の患者さんは基本的に外来に通うことが難しい患者さんです。なので、当然ベッドでの生活が多くなります。ここで、当然のようにベッドと書きましたが、畳の上に布団を敷いて寝起きする…

認知症を科学する

前回よりドネペジルがレビー小体型認知症に無効であるとした試験から一つ有用な知見は示されました。 ドネペジルの抗コリン作用はパーキンソン病の症状を悪化させる懸念があったのですが、これは無いことが証明されたことは有益な知見となりました。 #在宅…

安易な抗生剤の使用を止めるべき理由

日本人は無類の薬好きです。高齢者で薬を内服していない患者さんを診るのは年に数回くらいかもしれません。そして安易な投薬の危険に関してバイオアベイラビリティの観点から。バイオアベイラビリティとは、服用した薬剤が全身循環に到達した割合を示した値…

認知症を科学する

上記資料はレビー小体型認知症にドネペジルが有効であるかのように見える。 しかし、この試験はそもそも仮説に対する判断基準が明示された試験ではない。つまり、統計有意が示されていない試験である。 #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 …