2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧
塞栓性脳梗塞に対する、血管内治療はこの10年で劇的に変化しました。 思い返せば、ウロキナーゼ動注療法からメルシリトリーバーに始まり、いまではステント型3種類、吸引型1種類が使用できます。 今月から、さらに新しいデバイスが登場するそうです。 吸引型…
少し遅れましたが横須賀うわまち病院が、今後久里浜(三浦半島南端)へ移転することになりました。 ノンビリスローライフ脳外科生活も悪くないのですが、まだまだ発展途上の身としては、久里浜移転追従はチョットと考え勤務先を千葉脳神経外科病院へ。 半分千…
血管内治療における動脈瘤の治療において、治療の引き際というのはいつも迷うところです。 動脈瘤に出来る限りコイルを詰めて完全閉塞を目指せば、再破裂の確立は低くなります。 しかし、必要以上にコイルを詰めて術中破裂や塞栓性合併症(治療によって脳梗塞…
脳動脈瘤にコイル塞栓術を行っているイラスト この図は動脈瘤を治療する為コイルを挿入しているところです。 動脈瘤という血管のコブにコイルという髪の毛より細い金属の線を充填して、血流を遮断し動脈瘤内へ血流が来ないようにしている様子です。 実際の治…
今、個人的に常々考えているのは未破裂中大脳動脈瘤に対し どの様な場合に血管内治療を選択すべきか? これを脳卒中学会のシンポジウムでセッションが行われていました。 因みに上記の表はNeurosurg Rev. 2014から引用したものです。 これによると完全閉塞の…
未破裂脳動脈瘤における治療法の一つとして、クリッピング術があります。 本治療は長い歴史があり、長期の成績も安定しています。具体的には、脳と脳のすきまを少しずつ剥離(はくり)し、動脈瘤の根元を「クリップ」ではさむ方法です。話だけ聞くと怖いです…
動脈瘤の年間破裂率は決して高くはありません。 但し、これを生涯の破裂率として考えると、それほど低くないなぁというのが正直な印象です。 例えば50歳の女性に動脈瘤が見つかったとすると。女性の平均寿命は80歳後半です。つまり単純計算では余命30年以上…
患者さんにクモ膜下出血です。 動脈瘤があります。 と説明する際に、そもそもクモ膜下出血とはという根本的なお話をさせて頂きます。 まず、脳動脈瘤とはは文字通り、脳の動脈の一部がふくれあがり、「こぶ」になっていることです。「こぶ」の漢字が「瘤」で…
現在、クモ膜下出血の治療はカテーテルによる治療と開頭による治療があります。 私は、基本的にどちらも行えるスタンスで患者さんにお話しさせて頂いています。 その中で再発という問題もよく質問されます。 治療後の再発率は、コイリングを行ったか、クリッ…
新しい経口抗凝固薬をNovel oral anticoagulant (NOAC)と呼んできましたが、最初のNOACの発売後8年が経過し、最近ではDOAC呼ばれるようになりました。。一覧表を少し古い脳神経外科速報から持ってきました(プラザキサに関しては既に中和薬が発売されますが)…