在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

栄養管理を科学する

炭酸とろみの嚥下に対する詳しいメカニズムは、下記文献を参照頂けましたら幸いです。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

ベルソムラ錠からデエビゴ錠への変更について

昨今、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の問題(依存、認知機能低下、転倒リスク増など)が言われるようになってきており、それに代わる睡眠薬として、より副作用が少ないタイプの睡眠薬を処方しています。 そのなかの一つに、オレキシン受容体拮抗薬があります。覚…

栄養管理を科学する

嚥下に関する炭酸水のエビデンスは? 下図の論文から、誤嚥や喉頭侵入などを防いでくれることを示しています。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

敗血症は皮膚を診る

敗血症の定義は、「感染症で臓器障害が起きていること」です。 敗血症は早く対応しなければならず、そのためには、臓器障害が始まっている徴候を見抜かなければなりません。バイタルサインに加えて、身体所見としては、意識障害、尿量低下、皮膚の所見に注目…

栄養管理を科学する

摂食嚥下障害新しい試みは? とろみ×炭酸水は、嚥下障害にかなり効果的のようです。 詳細は次回以降詳述していきます。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

排便性失神繰り替かえす高齢者について

最近の症例ですが、排便に伴い意識消失がある患者さんを施設入所中の患者さんにおいて経験しました。 排便の状況としては毎日少量ずつ出て、3~4日に1回大量に出る。便の性状は硬めで、摘便が必要なこともある。排便後に意識がもうろうとすることが月に1回く…

高齢者の薬の量の調整について

高齢者は腎機能が低下している方が多く、腎臓で代謝される薬を内服した場合、薬の血中濃度が上がってしまうため、腎機能によって薬の量を調整する必要があります。腎機能が低下しているかどうかが分かるのは血清クレアチニン値ですが、クレアチニンは筋肉の…

エルデカルシトールによる高カルシウム血症について

エルデカルシトールに関して「エルデカルシトールによる高カルシウム血症と血液検査の遵守について」という文章が配布されました。 このような文章が配布される背景には、エルデカルシトールによる高カルシウム血症の症例が相当数あり、大きな問題になってい…

栄養管理を科学する

口腔内乾燥を引き起こす可能性のある薬剤は? 下記の様な薬剤は口腔内乾燥➤嚥下障害を引き起こす可能性があります 嚥下障害を認めた場合、注意すべき薬剤です在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

めまいがハイドロリリースで改善?

私、某SNSでハイドロリリース研究会なるものを主催しておりメンバーは、もうすぐ1000人近くとなります。ただ、海外の文献などの共有をかなりしているので、非公開研究会としております。最近下記のようなハイドロリリースの応用がYou tube上にありました。 …

栄養管理を科学する

在宅医療あるある 高齢者の嚥下障害は、下図のように 咀嚼、食塊形成、送り込み不全 ➤嚥下、飲み込みがうまくできない と2つの相から理解することが必要です。 食塊の咽頭残留、誤嚥に関しては、定量的に評価可能 見える化が可能です。 これらの原因として …

ヒルドイドは保湿剤なのか?

写真は逗子在住山内明徳様撮影 」在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

栄養管理を科学する

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高齢者に対するモビコール配合内用剤の使用について

高齢者の便秘について浸透圧性下剤としては酸化マグネシウムを処方し、特に問題は感じていませんでしたが、昨今、高マグネシウム血症の問題が言われるようになってきています。 ※血清マグネシウム濃度と症状 血清Mg濃度(mg/dL) 症状 4.9~ 悪心・嘔吐、起…

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在宅医療あるある! 嚥下は悪くないんだよなぁ、これは何を意味するのか?在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

レビー小体型認知症の自律神経症状

レビー小体型認知症の症状は以下の5つに分けられまず。 重要な順に、1. 自律神経不全型(迷走神経・交感神経節)2. せん妄型(脳幹網様体)3. パーキンソン型(中脳黒質)4. 精神病型(扁桃体~辺縁系)5. 軽度認知症型(大脳皮質) レビー小体がたまる…

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嚥下オデコ体操とは? 下図のような体操です。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)

在宅医療におけるせん妄の対応

在宅診療においてせん妄の治療への習熟は非常に重要です。また、認知症患者さんを自宅で診れるか否かの重要な要素でもあります。そうした中でお勧めの良書、というかこれを頼りにせん妄に対する治療行っています『せん妄診療実践マニュアル 井上真一郎 羊土…

栄養管理を科学する

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高齢者の栄養管理

高齢者の栄養管理は、とても重要です。食べてくれない、食欲ないという頻繁に起こります。こうした時に経管栄養剤を処方します。なかでも、イノラスは1ml当たりのカロリーが経腸栄養剤の中では最も高く、栄養状態を短期間で改善させたいときに処方しています…

栄養管理を科学する

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 高齢者の転倒・骨折

超高齢化社会において、転倒・骨折などは非常に頭の痛い問題です。病院などでは、抑制同意書などを入院時に取得し夜間帯などはベッドから自身で動けなくなるようにします。実際の現場は、非人道的な印象を受けますが、他に方法が無いのが実情です。もし、転…

栄養管理を科学する

嚥下障害とサルコペニアは密接な関係性あることを前回説明いたしまさしたが、サルコペニアの原因は5つです。 年齢、疾患、低活動、医原性、低栄養です。これらが摂食嚥下機能に及ぼす影響は 誤嚥性肺炎 舌・横隔膜の萎縮起こる 嚥下正常→2日間以上の禁食に…

褥瘡に対する湿潤療法について

褥瘡に対してガーゼ保護する意味は無い!ということは度々触れてきました。自身も手術後の創部に対して、創部の治癒閉鎖を心配される症例に対してはカラヤヘシブという創傷被覆材を用いていました。但し、この被覆材は高価であり薬局などで購入できるもので…

栄養管理を科学する

在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com) 加齢による嚥下機能に及ぼす筋肉群として嚥下関連筋群が挙げられます。 この筋肉の役割は 嚥下時に舌圧を保持し、喉頭を引き上げる役割。 収縮により喉頭挙上、喉頭閉鎖。食道入口部が開く…

高齢者の寝たきり原因の治療の弊害~カルシウム製剤の補充

高齢者を寝たきりにする原因として重要なものの一つに骨折があります。具体的には大腿骨頸部骨折(足の付け根の骨が折れる病気)、腰椎などの脊椎の圧迫骨折があります。こうした骨折、とりわけ大腿骨頸部骨折は、保存的治療という選択は難しく、手術する場合…

栄養管理を科学する

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高齢者の皮膚のかゆみ~老人性掻痒症

高齢者の皮膚のかゆみはしばしば遭遇する問題です。とりわけ寒い時期なると症状が悪化します。年をとると、何故こうした症状が生じるのでしょうか。理由として高齢者は皮脂が少なく、容易に乾燥します。こうした症状に関しての ポイントは皮脂を落とさないこ…

栄養管理を科学する

加齢により筋量、筋肉量はどの様に変化するか? これらの変化は摂食嚥下に関連する筋肉群でも認められるます。 つまり、加齢に伴い筋量の低下を生じ、嚥下のパワーとタイミングは減少することになります。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan…

高齢者の認知症に関する漢方薬

認知症の行動・心理症状(BPSD)に対して、漢方薬の抑肝散が効くことが知られており、私自身もよく処方しています。 自身の抑肝散処方で忘れられない症例は、頚椎症性脊髄症の患者さんで、手術前日にせん妄状態になった患者さんです。誰もが知る某有名企業の…