2021-01-01から1年間の記事一覧
アルツハイマー病の経過は、上記資料の様な経過をたどります。 まず、中核症状と共に周辺症状が現れ、身体症状が付随してきます。 重要なことは、中核症状は全例で生じますが周辺症状は個人差があることです。 そして何より、初期においては中核症状が全面に…
人は見た目が〇〇割という、本が以前売れていたように記憶しています。 調べれば、すぐ分かるのですが敢えて調べません。 見た目で騙されないように、常々思っていたりもするので。そして見た目が老けていると実際の寿命も短いようです。これは、経験則から…
認知症として有名な疾患であるアルツハイマー病、レビー小体型認知症は上記資料が示すような異常タンパクの蓄積に依るものです。そして、非常に重要なことはこでらの疾患が重複混在するということです。分かりやすく言えば、加齢に伴い心不全、糖尿病などを…
人は無意識に嚥下をしてますが、これは何も食事をしているときばかりでなく、寝ている時も唾液などを無意識に嚥下しています。嚥下をするという機能も脳からの命令で行われているものであり、様々な機能低下の一貫として嚥下機能の低下も高齢者には起こりま…
認知症診断の確定診断は病理診断にて行われます。通常、認知症診断に神経細胞の生検は行われない為、完全な確定診断は亡くなった後に病理解剖にて行う必要があります。 現在においては核医学検査などの進歩にて、相当程度まで診断は可能となりましたが診断精…
プレタールという薬は本邦から開発された抗血小板剤であり、この薬の第三相試験(その薬が本当に効果あるか、悪いことが起きないか実際の臨床で使用する試験です)において私もデータ処理などで関わった経験あり思い入れある薬です。その効果は、シロスタゾー…
高齢者の不眠治療に関しては非ベンゾジアゼピン系とされる薬剤は、せん妄の原因として非常に重要です 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)
日本人は無類の薬好きです。高齢者で薬を内服していない患者さんを診るのは年に数回くらいかもしれません。そして安易な投薬の危険に関してバイオアベイラビリティの観点から。バイオアベイラビリティとは、服用した薬剤が全身循環に到達した割合を示した値…
胃薬は漫然と継続処方されやすいくすりですが、高齢者においては弊害もある薬であることの認識が必要です。 #在宅医療 #高齢者認知症治療 #胃薬の弊害 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #逗子、葉山、横須賀、鎌倉在宅医療 在宅医療 | さ…
老衰の末期や末期がんなどで食べられなくなった患者さんを自宅で診ている場合に食べれなくなったら何もしないという選択があります。但し、こうした選択が中々踏み切れない場合があります。やはり何もしないという選択は心情的に選択しにくいものです。そう…
高齢者のせん妄を診た場合、まず最初に確認すべきは内服に関してです。様々な薬剤がせん妄を引き起こします。代表的な薬剤を資料にあげました。風邪薬や抗精神病薬などの内服も有無はとりわけ注意が必要です。 在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (sh…
脳外科医として長らく仕事をしていた私の仕事の本質は、手術でした。 これに異論はありません。 ただ、現実の仕事は日本の高齢化の縮図の科でもありました。 脳卒中の7-8割は脳梗塞であり、ほとんどが保存的治療です。 つまり外科的介入はないのです。 脳卒…
高齢者とりわけ軽度認知症(MCI)とされている方において認知症が悪化したとして 相談受ける場合の多くは、せん妄と呼ばれる病態です。これは認知症いわゆるアルツハイマー病の増悪とは明らかに異なります。せん妄とアルツハイマー病の違いは、上記資料に示し…
敗血症とは血液が敗ける症(病)であり、血液の中に菌が繁殖している病気と考えて下さい。血液中に菌が繁殖しているのですから、病気としては大変重篤です。 こうした場合、SOFAというスコアがあります。このスコアでは採血結果所見が必要です。在宅医療ではす…
認知症に移行する前状態として軽度認知症(MCI)と呼ばれる病態が存在します。 このMCIに認知症薬を投与すると、どうなるか? 結果は副作用出現率が認知症薬>プラセボという結果でした。 つまり、MCIに対しては治療薬存在しないということが現実です。 またMC…
せん妄に関して薬物治療は、簡単ですが安易かつ患者さんの為にならない治療です。 脳外科医として働いていた頃に、クモ膜下出血で救命した患者さんがいました。 60歳代の患者さんで比較的若く自分で食事も食べれるし、自排尿なども自立しておりリハビリ病棟…
認知症診断は、除外診断にて行われます。 認知症のような症状を呈する疾患をまず除外します。 そして、65歳以上の記憶力は病歴と心理検査が重要です。 重要なことは1年という単位でアルツハイマー病へ移行することは無いという認識です。 こうした急速な、…
以前の経験した患者さんです。 90代の男性で5年前に心筋梗塞を患いカテーテルの治療受けましたが、左心機能不全にて治療抵抗性の慢性心不全でしたが、ご自宅で生活させていました。その後発熱に伴う意識障害、体動困難にて入院となり高齢の奥様に説明し急変…
高齢化に伴い認知症患者が増えるのは、説明可能ですが 資料見て頂くと分かる通り、血管性・詳細不明の認知症は横ばいにも関わらずアルツハイマー病の患者数が激増してます。 特に1999年から激増しており、この年は世界初の認知症治療薬であるアリセプトの処…
高齢者の在宅医療において家族の負担となる一つの理由は、不穏などの症状です。 もちろん陽性症状として大声あげて外にでる、物を投げたりするなどの症状ある場合は、ある程度内服による管理必要と考えています。但し、少しふらつくからベッド上というのは高…
まず、認知症という病気は存在しません。 これは、あくまで言葉の定義上の問題ですが、認知症は症候群です。分かりやすく言えば認知症は、様々な病気から成立する病態を含めた病気と定義されます。 ICD-10という国際傷病分類の定義を紐解きますと上記資料の…
認知機能が低下した高齢者が入院すると、かなりの確率で不穏となります。そうした場合、安全の為抑制し薬にて鎮静します。こうした処置にて徐々に身体が弱っていき肺炎などを併発して寝たきりに移行する患者さんを沢山診てきました。在宅医療では、可能な限…
脳外科医として働いていた頃に認知症はどうでしょうか?という質問を星の数ほど経験しました。 そして、一般の方だけでなく認知症を専門領域とされている精神科、神経内科、脳外科の先生方も認知症に関する理解はかなり偏っている。 診断方法、鑑別etc そこ…
加齢に伴い腰痛は、かなりの頻度で生じます。腰痛に関する話を始めると終わりなき世界となるため、ここでは脊椎圧迫骨折についてお話しさせて下さい。 脊椎圧迫骨折は高齢者によくおこる骨折の一つです。診断に関しては、病歴が重要です。 ①受傷機転脊椎圧迫…
年をとると色々な箇所が痛くなります。腰痛などは、大なり小なりあると考えます。こうした際に痛み止めをどうするか。NSAIDsと呼ばれる痛み止めには胃潰瘍などを生じさせるリスクあり胃薬が必要です。痛み止めのロキソニンは切れ味は良いですが、その分副作…
ガスター等のH2ブロッカーを長期間使用することで、高齢者の認知機能が低下するリスクが報告されています。これは中枢神経にもH2受容体存在することが、その理由です。ただし、こうした薬剤は脳内への移行はしにくいのですが、腎機能障害などにより排泄が遅…
以前勤務していた病院の看護師さんのお母さんが痩せ薬として飲んでいたのが、利尿剤だったという笑えない話を聞いたことあります。ボクシングなどでも計量前にサウナで脱水となり計量に挑むのは有名な話です。高齢者医療においても脱水との闘いは大変です。…
いつの時代もダイエットは、流行っています。 僕自身学生時代はラグビー部所属していたので、ケガをしないよう筋トレで体重増やしていた時期と、研修医時代に体重が8-10kg落ちた時期を除き多少の増減はありますが、最近20年は±1.5kg以内の変動です。 しかし…
ご高齢の患者さんの悩みの一つに眠れないというのがあります。高齢者の不眠は生理的変化の一つで、実際に寝ている時間は加齢とともに短くなり、高齢者では6時間以下と言われています。高齢者は熟眠感を得られる徐波睡眠の時間が短くなり、また中途覚醒時間が…
前回運動による認知症予防効果について触れたのですが、逆の研究結果がBMJ. 2017 Jun 22;357に掲載されています。 内容は認知症を発症した患者とそれ以外の参加者の間で、追跡期間中の1週間あたりの総運動時間、低強度の運動をした時間、中~高強度の運動を…