在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

脳卒中治療ガイドライン 上記は脳卒中治療ガイドラインの抜粋です 高血圧は身体によくない 出来れば、体重管理、減塩指導などで血圧は管理したいものです しかし、血圧が120/80未満の人に比べて、140-150または90-99の人は脳卒中を3倍以上起こしやすいことが…

今年2本目の論文

koto 硬膜動静脈瘻に関する研究論文 今年2本目の研究論文が無事アクセプトされました。 日々の臨床の中で「あれっ?」と感じたことが、僕の論文投稿のきっかけなのですが、本稿は頸部痛が消失した硬膜動静脈瘻に関して書かせて頂きました。硬膜動静脈瘻とは…

脳卒中をどうやって防ぐか?

脳卒中と高血圧の関係は上のグラフ見ると大変分かり易いですね。 数多くある脳卒中危険因子の中でも最も重要とされるのが高血圧の管理です。グラフを見ると分かるように血圧が140/90を超えると脳卒中になるリスクが増加します。 特に上の血圧(収縮期血圧)…

脳卒中記事の連載

www.qlife.jp脳卒中に関する連載を書かせて頂きました。 このブログの趣旨も少しでも脳卒中に関して分かり易く、皆さんの知りたいことを丁寧にと考えてます。 しかし、編集の方のダメだしをから、自分の日本語の力の無さを実感しました。 これからも独りよが…

日々の鍛錬

日々の鍛錬 右側の画像はガーゼをIphoneで撮影した画像です。 正直何だか分からないですね。 左は、このガーゼを卓上顕微鏡で見た画像です。 脳外科の手術は、細かい作業が多く脳外科医になった頃は 果たしてこんな作業が自分で出来るのか?と不安になりまし…

脳梗塞の話(ラクナ梗塞って何でしょう?)

ラクナ梗塞 脳梗塞急性期における脳外科医の関心事は「どうやったらつまった血管を通せるか?」ということです。なぜなら、脳梗塞が完成する前に治療することで脳梗塞のサイズを小さくできるからです。そして、慢性期の課題は「どうやったら再発を防げるか?…

昨日のHybrid研究会にて

昨日は朝から自宅近くの桜山公園で家族とお花見して、お昼ご飯。 昼からビール飲んでる人達を羨ましく思いながら、Hybrid研究会へ。 脳外科の世界でHybridとは開頭手術+血管内治療の双方を行う外科医を指します。 及ばずながら、正に僕の目指す方向性の1丁…

No recanalization,No walk =再開通させなければ、歩いて患者さんを帰せない!

塞栓性脳梗塞に対する血栓回収療法 tPAでは太刀打ちできない、大きな血管が詰まった場合どうすればよいか? 米国心臓協会・米国脳卒中協会は、6つの臨床試験の結果を基に、「tPA投与後も脳の太い動脈に血栓が残存している場合に血栓除去デバイスによる血管内…

脳梗塞の血栓を溶かす薬

tPA作用機序 脳梗塞になった患者さんの家族へ説明する際に、血栓を溶かす薬は使いましたか? こうした質問をよく受けます。 因みに、上の図は血栓を溶かす薬の機序です。 血栓を溶かす薬はtPAという名称です。 脳梗塞急性期に行うtPA静注療法は2005年から日…

ネックの広い動脈瘤塞栓術

ブロードネックの動脈瘤塞栓術 動脈瘤塞栓術において問題の一つはネックの広さです。 ネックが広い場合には、そのままコイルを入れると正常な血管にコイルがはみ出てしまいます。正常な血管にコイルが出てこないようバルーンカテーテルという風船付きの管を…

静岡から患者さんが来てくれました!

先週の外来での出来事 2012.12.31いわゆる大晦日に緊急で手術した患者さん両側瞳孔散大し、正直社会復帰は難しいと思ってましたその後に外来に歩いて受診された時は、心底驚き「やったー!」という気持ちでした 写真の通り、振り返るくらいのイケメン男子! …