在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 47

がんの個別化治療とは端的に表現するとがん種横断的な遺伝子異常に対して阻害剤の投与と換言できると考えます。

その一例としてNTRK融合遺伝子陽性固形がんを対象としたEntrectinib(ロズリートレク)の臨床試験結果(第1/2期)は、がんに対する治療は臓器別でなく遺伝子異常に対する分子標的薬はがん種横断的に有効性を示す場合が多いことを示しています。

ゲノム医療が有効であった一例として30代女性、卵巣がん、多発肺転移の患者さんにおいて標準治療終了し有効な治療法なしの症例を示します。AKT 1遺伝子変異を同定し、

AKT 1阻害剤により腫瘍縮小効果を示しています。これは適切な治療選択に繋げることが重要であることの好例と考えます。