在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 49

乳がんの治療の副作用について詳述します

まず一般論として、殺細胞薬 は骨髄抑制による発熱性好中球減少症・感染症起こします。

各論としてアンスラサイクリンは嘔気、嘔吐、倦怠感、骨髄抑制心毒性(ドキソルビシン500mg/m2以上で増強する)に注意が必要です。

シクロホスファミドは不妊症(どの抗がん剤でもリスクがある)を生じます。

タキサンは末梢神経障害、脱毛、アレルギー様反応を生じ、手足の痺れを強く訴えます。

 

分子標的薬に関しては

トラスツズマブ/ベルツズマブによる心機能低下に注意が必要です。

ラバチニブは心機能低下、QT延長(相互作用)、消化器症状、肝障害、間質性肺炎、皮疹など多彩な症状を生じます。

ベバシズマブは肺がん時にも説明したようにVEGF class effectを生じます。

エベロリムス(mTOR阻害薬)は免疫抑制、間質性肺炎HBV再活性化に注意が必要です。