在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

重症度を判断する新指標SIRS#

施設スタッフに、「患者さんが何℃以上であれば連絡したほうがよいですか?」と聞かれることがよくあります。

一応、「38℃以上になれば連絡してください」などど答えていますが、実際は、医師は熱だけで重症度を判断しているわけではありません。他のバイタルサインと合わせて、重症度を判断しています。

38℃以上の熱がでている方がいた場合、脈拍や呼吸数に注目してください!

脈拍が90回/分以上だったり、呼吸数が20回/分以上の場合は、重症の可能性があります。

この根拠はSIRS(全身性炎症症候群)の診断基準です。

SIRS
①体温>38℃または<36℃
②心拍数>90/分
③呼吸数>20/分またはPaCO2<32 torr
④白血球数>1,2000,<4000/mm3または未熟顆粒球>10%
の2項目以上をみたす病態と定義される。

SIRSは敗血症の診断に古典的に用いられていた指標(現在はqSOFAを使う)ですが、熱が出ている際の重症判断のスクリーニングに使うのが良いです。

冒頭の質問には、「体温が38℃以上でなおかつ、脈拍が90回以上、あるいは呼吸数が20回以上であれば連絡してください」と本来は答えたいのです。

 

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