在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

在宅医療でのホルター心電図必要性とは?#不整脈診療

在宅医療における不整脈診療

当クリニックでもホルター心電図での不整脈検査をしばしば行っております。

当クリニック採用のホルター心電図は24時間タイプでなく、7日間タイプで、非常に小型であり、当クリニックで不整脈を初めて指摘され、そのまま治療に移行された方が多数おります。

gramという製品ですが、この会社よパンフレットでの商品紹介依頼があり、紹介させて頂きます。

 

在宅医療における大きな問題の一つに転倒リスクがあります.

高齢者の約30%が, 転倒を起こすといったデータも発表されています1). そして転倒原因として30%は失神を原因とするものといわれています2).

高齢者の転倒は, その後の日常生活ADLや生命予後まで変える可能性があります.

転倒により大腿骨頸部骨折, 腰椎圧迫骨折などを受傷し, ベッド上の生活となり誤嚥性肺炎の併発, 認知機能の低下は非常にしばしば経験します.

高齢者における失神の原因は様々ですが, その一つに不整脈があります. 高齢者の寝たきりを未然に防ぐという点からも在宅医療での不整脈診療は極めて重要と考えられます.

1)内閣府ホームページ

2)高齢長寿研究センターホームページ

事例紹介

症例

80歳代男性

病歴

浴槽内で意識消失されているところを発見され救急搬送. 肺炎の診断にて治療が行われ自宅退院. 入院中はベッド上安静であり, 自宅退院直後は座位保持も難しい病状だったが, 退院後は自宅内での日常生活ADLは自立まで改善. これに伴い, 身体的負荷が増えると共に動悸とめまいを自覚するようになる.

経過

病歴より入浴に伴い心負荷が上がり, 不整脈出現し失神より溺水に伴う肺炎が強く疑われた. ホルター心電図施行にて心房細動が確認され, βブロッカーと抗凝固薬の投薬行う. 自覚的動悸とめまいは完全に消失したことより年齢など考慮し, 薬物治療のみの方針となる.

本事例には教訓的な事象をいくつか含んでいます. とくに重要なことは目の前の症状だけでなく, 医学的臨床推論を必ず行う必要があるということです.

本事例ではお風呂にて倒れ肺炎を起こした患者が, 何故肺炎と起こしたのかという推論が必要でした. ただし, 本事例は熱失神に伴う溺水からの肺炎という病歴で矛盾しないものであります.

失神の原因は様々であり, 自宅に戻ってから在宅医療医が, その原因を推測することは稀ならずあります. こうした際に, 在宅でもホルター心電図を行う必要性があり, 必要と判断された場合は速やかに検査する必要があります. そして, 失神などの分かり易いエピソードばかりでなく, 転倒やめまいなどの症状を繰りかえす場合, ホルター心電図による精査を想起する必要がある我々は考えます.

You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より

https://www.youtube.com/channel/UCMkHB9UwsqYXdxEAij9yD4Q

不整脈ホルター心電図#gram#心房細動

在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)さくら在宅クリニックは逗子、葉山、横須賀、鎌倉の皆さんの健康と安心に寄与して参ります

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