在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 6

がん患者さんの疼痛管理には定時で服用するオピオイドが必要とされ、これをベース(基礎的)の内服とされます。

こうしたベースの内服においても、がん突出痛と呼ばれる痛みに対する投薬も必要となってきます。

がん突出痛のある患者に対して、どのオピオイドの投与が推奨されるかについては

①がん疼痛の突出痛のある患者に対して速放性製剤(経口ヒドロモルフォンオキシコドンモルヒネモルヒネ坐剤、オピオイド注射剤ボーラス)によるレスキューの投薬を強く推奨とされています

②がん疼痛の突出痛がある患者に対して、経粘膜性フェンタニル投与を条件つきで推奨されています(オピオイドが定時投与されており、経口投与のレスキューを投与しても鎮痛効果を得られるまで時間を要する場合:弱い推奨)

フェンタニル口腔粘膜吸収製剤(ROO:Rapid Onset Opioid)

*速報性製剤じゃ30-60分必要<ROOは15-30分で効果発現

*ROOにはアブストラル舌下錠,イーフェンバッカル錠

*投与間隔はアブストラル舌下錠は2時間以上,イーフェンバッカル錠は4時間以上間隔あける両剤とも1日4回まで投与可能