在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 92

 

尿路上皮がんについて詳述します

腎盂、腎杯、尿管、膀胱の内腔を覆う移行上皮から発生するがんであり

どの部位から発生しても同じ性質

時間的/空間的多発性がある

の特徴を有します。

リスクファクター:喫煙であり、遠隔転移例は根治不能、生存期間中央値は約1年です。

尿路上皮がんの治療:膀胱原発(膀胱がん)は、浸潤部位により選択され

上皮内に限局

・経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-bt)

・術後にBCG膀胱内注入療法
再発低リスク群(低グレードTa,CISなし)以外に適応

固有筋層浸潤(T2以上)

・膀胱全摘

・膀胱温存療法:厳選された症例に選択肢
TUR-bt+化学療法+放射線療法

 *発生部位にかかわらずT2(筋層浸潤)以上ではリンパ節や遠隔転移の可能性が高い

化学療法に関しては

術前補助化学療法

T2以上では標準

シスプラチンを含む化学療法は
メタアナリシスで明らかな効果

術後補助化学療法

明確なエビデンスはないが臨床では実施される

 

 

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