在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

認知症を科学する

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認知症に移行する前状態として軽度認知症(MCI)と呼ばれる病態が存在します。

このMCIに認知症薬を投与すると、どうなるか?

結果は副作用出現率が認知症薬>プラセボという結果でした。

つまり、MCIに対しては治療薬存在しないということが現実です。

またMCIから認知症へ移行する確率は、専門医が行った場合と地域研究では2倍程度の差が存在しました。

これは専門医の診断精度が高い、もしくは認知症診断自体が信頼性低いことを意味するのかもしれません。

またMCIと診断された高齢者の20%は数年でMCIでないと診断されるようです。

このことからもMCIという診断自体の信頼性は、必ずしも高いものではないようです。

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