在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

高齢者の誤嚥性肺炎の診断スコア

在宅医療における高齢者において肺炎は非常に起こりやすい感染症の一つです。人は無意識に嚥下をしてますが、これは何も食事をしているときばかりでなく、寝ている時も唾液などを無意識に嚥下しています。嚥下をするという機能も脳からの命令で行われている…

認知症を科学する

うつ病が認知症の初期症状であることがあり、逆に認知症の一症状としてうつ病が現れる場合もあります。 #うつ病と認知症 #認知症とは #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #逗子、葉山…

多愁訴に半夏厚朴湯が著効した症例

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)はいわゆる「ヒステリー球」という、喉に何かが詰まったような違和感に効くとされている漢方薬です。 当院の患者さんで、半夏厚朴湯がよく効いた患者さんがいたので報告します。 症例:90代女性 診察の度に、「喉が詰まる」…

認知症を科学する

治療可能な認知症は、下記のように気づくことが重要です #治療可能な認知症 #認知症とは #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #逗子、葉山、横須賀、鎌倉在宅医療 在宅医療 | さくら在…

ヒルドイドは乾燥剤として作用する

ヒルドイド(ヒルドイドソフト軟膏やヒルドイドソフトクリーム)が皮膚に対し乾燥剤として作用していることがよく分かる症例を提示したいと思います。 90代男性。両足関節前面に非常に強い乾燥があり、痒みもあった患者さんです。皮脂欠乏性湿疹の診断で、ヒ…

認知症を科学する

改善可能な認知症は上記疾患が一般的ですが、自身はパーキンソン病との関連を最近多く経験しております。こうした場合、パーキンソン病の治療により認知機能改善する症例を多く経験しております。パーキンソン病は、近年単一疾患の概念が変化しております。 …

痛みのない傷の処置を目指して

当クリニックでは、褥創や傷を洗浄する際には水道水で良いと考えてますが、より痛みが生じないように、生理食塩水で洗うことを推奨しています。 生理食塩水は血漿浸透圧と同等な浸透圧を持ち、組織に対する刺激が少ないためです。 病院でよく行われているの…

リウマチ性多発筋痛症の診断と治療

高齢者を中心に診療していると、高齢者に多い疾患であるPMR(リウマチ性多発筋痛症)によく遭遇します。 第95回日本整形外科学会学術総会において、「リウマチ性多発筋痛症の診断と治療 杉原 毅彦先生 聖マリアンナ医科大学リウマチ膠原病アレルギー内科」と…

認知症を科学する

改善可能な認知症も存在します。これらは、神経細胞が減少していないことが重要な共通点です。 #認知症とは #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #逗子、葉山、横須賀、鎌倉在宅医療 在…

認知症の行動・心理症状に対する薬物療法

施設入居時などに、環境が変わったことが契機となり、認知症の行動・心理症状(BPSD)がひどくなり、昼夜問わず暴れて手がつけられなくなる方がいます。当院では、施設の窓から飛び出してしまった方、介護者の首を絞めた方、ドアを蹴ったり椅子を投げたりし…

認知症を科学する~一般の方々へ

抗認知症薬の一般的なイメージは左図ですが、実際は右図のようなちょっと上乗せ効果あるかもしれない。 という程度の効果を認識する必要があります。 #認知症とは #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果…

プレタールという薬

プレタールという薬は本邦から開発された抗血小板剤であり、この薬の第三相試験(その薬が本当に効果あるか、悪いことが起きないか実際の臨床で使用する試験です)において私もデータ処理などで関わった経験あり思い入れある薬です。その効果は、シロスタゾー…

認知症を科学する

一般的にサプリと呼ばれるものは、認知症に対しては無効のようです #認知症とは #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #逗子、葉山、横須賀、鎌倉在宅医療 在宅医療 | さくら在宅クリニッ…

在宅診療における敗血診断

敗血症とは血液が敗ける症(病)であり、血液の中に菌が繁殖している病気と考えて下さい。血液中に菌が繁殖しているのですから、病気としては大変重篤です。 こうした場合、SOFAというスコアがあります。このスコアでは採血結果所見が必要です。在宅医療ではす…

認知症を科学する

認知症に関しては、予防<危険因子の排除という考えが徐々に浸透してきております。 最近では、アルツハイマー型認知症における蓄積するタンパク質を除去する治療が注目されておりますが、認知症治療に携わる専門家は極めて懐疑的な意見が大勢です。 そして…

患者さんが不穏・せん妄になったら

せん妄に関して薬物治療は、簡単ですが安易かつ患者さんの為にならない治療です。 脳外科医として働いていた頃に、クモ膜下出血で救命した患者さんがいました。 60歳代の患者さんで比較的若く自分で食事も食べれるし、自排尿なども自立しておりリハビリ病棟…

認知症を科学する

認知症予防のトレーニングとしてPosit ScienceのBrain HQは権威ある論文70以上で、上梓されています。 これは、個々人の進捗に合わせて難易度が変化する作業記憶のトレーニングであり紙ベース、集団ベースとことなり有効であるようです。 #認知症とは #在…

認知症を科学する

認知症の臨床診断にはFASTという評価が有用です。 そして、この評価法から2つのことが読み取れます。 1つは認知症とは、神経細胞が変性し、脳の機能が成長を遡っていく過程を示すことです。 認知症の患者さんは、進行するにつれて邪気のない子供へ還ってい…

慢性心不全の終末期医療

以前の経験した患者さんです。 90代の男性で5年前に心筋梗塞を患いカテーテルの治療受けましたが、左心機能不全にて治療抵抗性の慢性心不全でしたが、ご自宅で生活させていました。その後発熱に伴う意識障害、体動困難にて入院となり高齢の奥様に説明し急変…

認知症を科学する

グラフから分かることは、認知症最大リスクは加齢です。 つまり、誰にでも生じ避けられないのが認知症です。 #認知症とは #在宅医療 #高齢者認知症治療 #認知症治療薬の真実 #認知症治療の真実 #抗認知症薬の効果の科学的根拠 #逗子、葉山、横須賀、鎌…

在宅医療と抑制

高齢者の在宅医療において家族の負担となる一つの理由は、不穏などの症状です。 もちろん陽性症状として大声あげて外にでる、物を投げたりするなどの症状ある場合は、ある程度内服による管理必要と考えています。但し、少しふらつくからベッド上というのは高…