在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2024-04-29から1日間の記事一覧

褥瘡治療の新時代:湿潤療法と体圧管理の重要性

褥瘡は、そもそも論で体位変換できない状態の部位に持続的に圧力がかかることにより生じます。なので、褥瘡治療に対し、湿潤療法を熱心行ったとしても、かかる圧力を減じなければ根本的にはいつまで経っても褥瘡はよくなりません。褥瘡予防のために頻回に体…

心不全を科学する66

心臓とは身体にエネルギーや酸素を運ぶポンプです。そして、酸素の運び役は赤血球であり、この値が下がると必要な酸素を運ぶため沢山稼働=負荷がかかります。つまり貧血=心負荷を伴い心不全の原因となります。 ATTEND研究、JCARE-CARD研究登録患者の約60%…

心不全を科学する65

心不全に処方してはいけない薬剤各論として最も重要な薬剤は、NSAIDs(ステロイド)と考えます。 その理由として ナトリウムと水分を貯留させる ブラジキニンの効果を減弱させる(ACEの効果↓) 心不全リスクが10倍上昇 Rotterdam Study 胃潰瘍→鉄血→心不全リスク…