― 怒り・悲しみ・「注意が必要なポジティブ感情」 ― 「健康にいいと分かっているのに、続かない」この現象は意思が弱いからではなく、感情が意思決定を上書きしてしまうことで起きることが少なくありません。 感情は、身体に直接影響するだけでなく、日々の…
― 静脈うっ滞性皮膚潰瘍という視点 ― 前回までにご紹介した難治性蜂窩織炎の症例では、単なる感染症としてでは説明しきれない「治りにくさ」がありました。 その背景として重要なのが、**静脈うっ滞性皮膚潰瘍(chronic venous ulcer)**という病態です。 ■ …
― 高エネルギーを「無理なく・安全に」入れる工夫 ― 高エネルギー投与を行う際、1 kcal/mL の栄養剤のみを使用すると投与ボリュームが非常に大きくなるという問題があります。特に、 体格の小さい高齢者 胃食道逆流や誤嚥リスクの高い患者 では、そのままで…
「健康のために何をすべきか」は多くの人が知っています。それでも続かないのはなぜでしょうか。 今回の講演では、健康を支える感情に焦点を当て、特に「誇り」「感謝」「幸せ」という3つの感情が、健康行動の継続や病気の予防にどのように関わっているのか…
―「治らない蜂窩織炎」の背景にあるもの― 今回は、難治性蜂窩織炎と診断された女性の症例について、初診時および経過中の皮膚所見を中心に、在宅医療の視点からまとめます。 ■ 搬送後も改善しなかった経過 本症例では、医療機関へ搬送された後も、約2か月間…
― 「まず腸を使う」ことが回復への近道になる ― 攻めの栄養療法における原則 「攻めの栄養療法」においては、実施可能であれば経腸栄養(EN)を最優先することが原則です。 経口摂取が十分に可能な場合 → 食事から必要栄養量を確保する 経口摂取が不十分な場…
健康習慣は「感情」で決まる ― 知識だけでは人は変われない理由 ― 私たちは「健康に良いと分かっていること」を、なぜ続けられないのでしょうか。 運動、食事、睡眠、禁煙――どれも大切だと知っているのに、三日坊主で終わってしまう経験は誰にでもあります。…
― 在宅医療の視点から考える早期介入と継続支援 ― 今回は、難治性蜂窩織炎と診断された女性のケースを通して、在宅医療の現場で直面しやすい課題と、その対応についてご紹介します。 ■ 病歴の概要 本症例は、医療機関を受診しないまま老夫婦で生活されていた…
経管栄養が真価を発揮する場面 経管栄養が静脈栄養(TPN)に比べて明らかに有用とされるのは、 比較的重症な症例の急性期管理 在宅医療を含む慢性期の長期栄養管理 といった場面です。 特に、食道がんなど侵襲の大きい手術後や重症症例では、その有用性が多…
はじめに 代替栄養として経管栄養を選択する場面では、腹部症状や誤嚥性肺炎などの合併症を回避するため、少量から慎重に注入を開始するケースを多く目にします。確かに、注入開始時には合併症予防の観点から、少量投与→段階的なステップアップという「守り…
― 高エネルギー投与を安全に成立させるために ― 「攻めの栄養療法」を実践する際、最大の課題の一つが高エネルギー投与をいかに無理なく行うかです。1 kcal/mL の標準的な栄養剤を用いると、必要エネルギー量を満たすために非常に大きな投与ボリュームとな…
― 患者背景に応じた“最適解”を考える ― 経管栄養を行う際には、 消化管の構造・機能 経管栄養を行う予定期間 誤嚥リスクの有無 などを総合的に評価し、経鼻アクセスまたは**消化管瘻アクセス(胃瘻・空腸瘻・PTEGなど)**を選択します。 一般に、 施行期間が…
― 回復を支えるための“正しい選択” ― 「攻めの栄養療法」の基本原則 「攻めの栄養療法」を実践するうえでの大原則は、可能であれば経腸栄養(EN)を最優先することです。 まず、経口摂取が可能であれば食事から摂取することが基本となります。経口摂取量が不…
―「攻めの栄養」を安全に行うために― 経管栄養は有用な栄養療法ですが、適切なモニタリングと対応がなければ合併症を招く可能性があります。特に「攻めの栄養療法」を行う際には、合併症を早期に察知し、柔軟に対応する姿勢が重要です。 ここでは、代表的な…
― 適応・有用性・利点を整理する ― 経管栄養法とは **経管栄養法(tube feeding)**は、腸管が機能している場合に選択される代替栄養法です。経口摂取が困難であっても、消化・吸収能が保たれていれば適応となります。 たとえば、 嚥下困難や意識障害により…
代替栄養における“攻めの投与”という考え方 はじめに 代替栄養として経管栄養を選択する場面では、腹部症状や誤嚥性肺炎などの合併症を予防する目的で、少量の栄養を慎重に注入するケースを多く経験します。注入開始時には、合併症を回避するために少量から…
―「免疫を上げたい」時に、誰にでも使ってよいわけではない― **免疫調整経腸栄養剤(Immunonutrition)**とは、免疫増強効果が期待される栄養素を強化した経腸栄養剤です。 主に以下の栄養素が強化されています。 グルタミン アルギニン 核酸 n-3系脂肪酸 抗…
―「必要な人に、必要な期間だけ」使う栄養戦略― 各種病態に伴う代謝異常の予防・是正を目的に、栄養素の組成を調整したものを**「病態別経腸栄養剤」**と呼びます。 ただし重要な前提として、経腸栄養を受ける患者さんの9割以上は、標準的な半消化態栄養剤で…
―「どこまで消化・吸収できるか」で考える― 経腸栄養剤を選択する際に最も有用なのが、消化・吸収機能に応じた「窒素源(たんぱく質の形)」による分類です。これは「消化管がどこまで働いているか」を評価し、最小の負担で最大の栄養効果を得るための考え方…
栄養剤は、量や種類だけでなく「いつ摂るか」 が効果を左右します。食事と同時に摂取できない場合は、間食・夜食・リハ終了後など、時間をずらして摂取する工夫が有効です。 患者に合わせたタイミング調整の工夫 傾眠がある患者:覚醒が良い時間帯を選ぶ 間…
2019年9月時点で入手可能な栄養剤の例をもとに、リハビリテーション(リハ)と栄養管理をどのように組み合わせるかを整理します。 ① 総合栄養素補給型の栄養剤 ― まずは「足りていない栄養」を満たす ― 栄養摂取量が不足している場合、最優先すべきは摂取栄…
リハビリテーション(以下、リハ)を行っている患者さんでは、低栄養状態が少なくないことが知られています。そして低栄養の患者さんでは、ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の向上が得られにくいという課題があります。 そのため、ADLの改善…
― 「減らすだけ」では解決しない ― 過栄養とは、主にエネルギー摂取過剰や活動量不足により脂肪が過剰に蓄積し、健康障害の発症リスクが高まった状態を指します。 特に注意が必要なのが サルコペニア肥満 です。単なる肥満と比べて、 ADL低下 転倒・骨折 生…
中年期以降に体重が増えやすくなる背景には、主に次のような変化があります。 筋肉量の減少 加齢とともに筋肉は自然に減少し、基礎代謝が低下します。 ホルモンバランスの変化 性ホルモンの変化は、脂肪のつき方やエネルギー消費に影響します。 活動量の低下…
― 「すべて同じ栄養介入」は危険である ― 低栄養と一言で言っても、背景となる病態はさまざまです。原因を見誤ると、適切な栄養管理どころか、かえって状態を悪化させることもあります。 ここでは、臨床で重要となる4つの低栄養タイプ別に、栄養管理の考え方…
― 攻めの栄養療法を支える“もう一つの柱” ― エネルギー量と並んで重要なのが、たんぱく質投与量の設定です。たんぱく質は、筋肉量の維持・増加、免疫機能、創傷治癒などに直結するため、「足りていればよい」では不十分な栄養素です。 高齢者における必要た…
―「攻めの栄養管理」を成立させるための考え方 ― 栄養投与量を考える際、**活動係数(AF)**と並んで重要となるのがストレス係数(Stress Factor:SF) と エネルギー蓄積量 です。 ストレス係数(SF)とは何か ストレス係数(SF)とは、疾患や外傷、手術侵…
― エネルギー消費量をどう見積もるか ― 栄養障害を有する患者さんに栄養サポートを行う際、最も重要となるのが総エネルギー消費量(Total Energy Expenditure:TEE) の算定です。 TEEを適切に見積もれなければ、 栄養不足による改善不良 過剰投与による代謝…
― 攻めの栄養療法におけるSMARTなゴール設定 ― 「ゴール」とは、**最終的な答えではなく、現時点で目指すべき“仮の結論”**です。もちろん、病状や生活背景によっては、現状維持そのものがゴールとなる場合もあります。 従来の栄養ケア・マネジメントでは、こ…
● 肥満症 ―「栄養を足す治療」が根本的に逆効果となる病態 ― ■ 肥満・肥満症の定義 肥満とは、エネルギー摂取とエネルギー消費のアンバランスにより、体内に過剰な脂肪が蓄積した状態を指します。 原因により、 原発性肥満(単純性肥満) 二次性肥満(症候性…