在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

在宅医療におけるエコーの役割

僕自身が医師になった頃、頸部エコーの黎明期でした。

今では、ごく一般的な検査となりましたが頸動脈狭窄の診断に非常に有用であることが分かり始め、学会発表などでも一つのセッションになっていました。

なので、研修医の頃夜中にエコー室に入り手頃な被検者(大抵同期の研修医)を見つけて練習していました。

その頃のエコーは大きくて高い4桁万円ものが主流であったと記憶してます。

現在では、私のカバンにはパソコンとエコーが必ず入っており、

イレウス蜂窩織炎心不全、胸水、腹水、静脈動脈血栓症の診断に在宅医療では欠かせないツールになっています。

昨日も膵癌術後の腹痛で緊急往診伺い、下図のようなイレウスの典型像(キーボードサインと呼ばれるケルクリング襞の所見、腸管内容物のto-and-flow所見)にて連携医療機関へ連絡搬送し、深夜緊急手術行い、本日朝は目が覚めて元気にしていると朝電話頂きほっと一安心しました。

研修医の夜中にエコーを勉強してよかったと20数年後に実感した夜の帰り道でした。在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)