在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

褥瘡の感染

褥創が感染しているかどうかは、褥創周囲に感染の4徴候(熱感、発赤、腫脹、疼痛)があるかどうかで判断します。

 

感染していた場合、大原則として、褥創内に消毒薬(イソジンシュガー、カデックス軟膏、ユーパスタなど)を入れてはいけません!

その理由は・・・

消毒薬には殺菌作用がありますが、組織障害作用もあるからです。

その作用の強さは、

組織障害作用>殺菌作用

なのです。

つまり、消毒薬を使うと菌を殺すよりも、褥創自体を傷めるほうが強くでてしまいます。

ステージ2の褥創をステージ4にしてしまうのが、消毒薬だと考えてください。

褥創を治すのには、創面で細胞培養をしているイメージも持ってもらうと良いです。

細胞培養をしているシャーレに消毒薬を入れてはいけないことは感覚的にわかると思います。

それでは、褥創感染はどのように治療すればよいでしょうか?

デブリドマン、ドレナージ、抗生剤(内服、点滴)の3本柱で治療します。

デブリドマン:壊死組織は正常組織に置き換わることはないので切除します。

ドレナージ:内部に溜まった膿の出口を作ります。膿には抗生剤は届かないからです。

抗生剤(内服、点滴):抗生剤の局所投与ではダメです。血流に乗った抗生剤が細菌をたたきます。

これは、褥創感染に限らず、あらゆる感染症の普遍的な治療原則です。

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内田院長 | さくら在宅クリニック (shounan-zaitaku.com)

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逗子、葉山、横須賀、鎌倉を撮影される山内様の写真です